部材のF値が『柱の残存軸耐力、軸支持能力、靭性指標の関係』の表に記載されていないF値となる場合どの欄を用いますか。 [文書番号 : DOCR00866]

概要
仕様について回答します。
回答
表の『F』に部材のF値が該当しない場合、次の欄の『F』の値を用います。

例えば
F=1.13では表の『F≦1.27』の値を用います。
F=1.60では表の『F≦2』の値を用います。


「Fu'」時に考慮する残存軸耐力Nr、軸支持能力NRについて
2017年版RC造耐震診断基準 同解説 (d)軸力の算定 では『当該部材の残存軸耐力Nr、周辺部材の軸支持能力NRは(中略)前者は靭性限界(靭性指標に対する変形)を上回る変形における軸耐力、後者は靭性限界以下の変形における軸耐力として区別して扱う。』と記載されています。

靭性限界以下の変形
・変形レベルの基準点とする靭性指標(Fu')を部材の変形能力(F値)が、上回る又は一致する場合とし
  Fu'≦部材のF値・・・ηR(NR:軸支持能力)を考慮します。

靭性限界を上回る変形
・変形レベルの基準点とする靭性指標(Fu')を部材の変形能力(F値)が、下回る場合とし
  Fu'>部材のF値 ・・・ηr(Nr:残存軸耐力)を考慮します。

※「Fu'」については下段の関連文書の[DOCR00836]をご参照ください。
補足
破壊タイプと柱の残存軸耐力Nrおよび軸支持能力NRと靭性指標Fの関係表
(ηr=Nr/AcFc、[ηR=NR/AcFc])
鉛直部材の種別 帯筋量Pw(%) F≦1.0 F≦1.27 F≦2 F≦3
極脆性柱[CSS]
(極短柱)*3
極脆性そで壁付柱[CWSS]
0.4<Pw*1 0.4 0.3 0.1 0
0.2≦Pw≦0.4*2 0.3[0.4] 0.1 0 0
Pw<0.2 0[0.4] 0 0 0
せん断柱[CS]
せん断そで壁付柱[CWS]
せん断柱型付壁[WCS]
0.4<Pw*1 0.6 0.4 0.2 0
0.2≦Pw≦0.4*2 0.5 0.3[0.4] 0.1 0
Pw<0.2 0.4 0[0.4] 0 0
曲げ柱[CB]
曲げそで壁付柱[CWB]
曲げ柱型付壁[WCB]
0.4<Pw*1 0.6 0.6 0.5 0.4
0.2≦Pw≦0.4*2 0.5 0.5 0.3[0.4] 0.2[0.3]
Pw<0.2 0.4 0.4 0[0.3] [0.2]

*1:間隔100mm 以下、Pw>0.4 かつ同じ間隔で副帯筋(中子)がある場合に限る
 (Pw が方向により異なる場合は小さい方とします)
*2:間隔100mm 以下の場合に限る
*3:ho/D が2 以下の柱部材で、F<1.27 の曲げ柱も含む
 (そで壁付き柱の場合は、2001年版を選択した場合は柱せいD の代わりにそで壁を含む全せいL'を用います)

※DOC-RC/SRCではそで壁の取りつく柱についても柱と同様に残存軸耐力、軸支持能力を考慮します。
 破壊タイプに応じ考慮しています。上表に加筆しています。
※表に記載された変形(F≦3)を超えたFu’となる場合はηr=0、ηR=0とします。

詳細
残存軸耐力、軸力支持能力
[耐震診断]→[CSV形式ファイルの出力]より、[残存軸耐力一覧]をクリックし確認する検討方向を指定してください。検討方向毎の各部材の残存軸耐力、軸力支持能力を確認出来ます。

第2種構造要素候補柱検討図
[ウインドウ]→[耐震診断計算]→[第2種構造要素候補柱検討図の表示]をクリックします。第2種構造要素候補柱検討図が表示できます。表示画面上で右クリック『第2種構造要素候補柱検討図の表示設定』より、各表示条件を指定します。検討結果を表示するFu’、検討に考慮した部材の残存軸耐力、軸力支持能力、検討結果等を確認できます。

破壊モード図
[ウインドウ]→[耐震診断計算]→[診断破壊モード図の表示]をクリックします。破壊モード図が表示できます。
表示画面上で右クリック『破壊モード図の表示設定』より、各タブ内の表示条件を指定できます。画面枠上段の[フレーム名称]ボタンを押すと、画面選択ウインドウが展開します。伏図の欄より参照階名称を選択しますと伏図上で各部材のF値を確認できます。

グラフィック出力
項目:10.3.1 柱の残存軸耐力
項目:10.3.2 第2種構造要素判定用データ
参考
DOC-RC/SRC Ver9 概要編マニュアル
2019 年 9 月 第2刷発行
3章-90~93頁:3.4.12 第2種構造要素(RC造)
表3.4.12 RC柱の残存軸耐力Nr および軸力支持能力NR の計算方法


2017年版既存鉄筋コンクリート造建築物の耐震診断基準 同解説
平成29年7月1日2017年改訂版発行
114~115頁 項目:(4)建物の限界 (d)軸耐力の算定 上から2行目から4行目  解表3.2.1-1柱の残存軸耐力Nrおよび軸支持能力NRと靭性指標Fの関係
関連文書
DOCR00827 第2種構造要素の判定結果1と判定結果2でそで壁の残存軸耐力を無視・考慮の違いがありますが 何故設けているのでしょうか。
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DOCR00838 ‟ 第2種構造要素の判別 ”に関するのプログラムの計算範囲について教えてください。



文書情報

製品カテゴリ: DOC-RC/SRC 最終更新日: 2020-08-26
バージョン: DOC-RC/SRC[ver.9.x],
文書番号: DOCR00866
分類: 計算方法


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