第2種構造要素の判定結果1と判定結果2でそで壁の残存軸耐力を無視・考慮の違いがありますが 何故設けているのでしょうか。 [文書番号 : DOCR00827]
概要
2001年版及び2017年版RC造診断基準では「柱の残存軸耐力をそで壁を考慮した状態で検討してもよい」と考えられる記述がありますので、
そで壁を考慮した柱の残存軸耐力を用いた判定結果を参考値として出力しています。
回答
2001年版及び2017年版RC造診断基準では第2種構造要素判定時に柱の残存軸耐力をそで壁を考慮した状態で検討してもよいと考えられる記述があります。
そで壁が長い場合はそで壁の残存軸耐力、軸力支持能力を考慮した方がよいと考えられますが、そで壁が短い場合は無視した方がよいでしょう。
しかし、現行の診断基準ではそで壁の残存軸耐力、軸力支持能力に関して、明確に述べられていませんので、DOC-RC/SRCでは、
そで壁の残存軸耐力を無視した『判定結果1』とそで壁の残存軸耐力を考慮した『判定結果2』を別々に出力しています。
【参考文献】
2001年版RC造診断基準・同解説 及び、2017年版RC造診断基準・同解説
項目:3.2.1保有性能基本指標E0算定の方針 (4)建物の終局限界
(d)軸力の算定より
『以上の判別(前記の軸耐力の算定)では、耐力壁(特に直交方向、そで壁等も含む)がある場合はその軸力負担を考慮して負担軸力を評価する。』
詳細
第2種構造要素判定結果1(kozoelement1.csv)
・そで壁の残存軸耐力を無視し軸力支持能力のみを考慮します。
第2種構造要素判定結果2(kozoelement2.csv)
・そで壁の残存軸耐力、軸力支持能力を考慮します。
そで壁部の残存軸力耐力(Nr)計算方法
そで壁の残存軸力耐力(Nr)は検討方向のそで壁耐力と直交方向のそで壁耐力の合計としています。
検討方向と同方向のそで壁の残存軸力耐力(Nr)について
検討方向の鉛直部材の破壊タイプを参照します。
曲げの場合、0.3AwFcとし、せん断の場合、0.1AwFcとしています。
検討方向と直交するそで壁の残存軸力耐力(Nr)について
直交の鉛直部材の破壊タイプを参照します。
曲げの場合、0.3AwFcとし、せん断の場合、0.1AwFcとしています。
直交方向のそで壁の0.5AwFcは考慮していません。
例えば、+X方向検討であれば+Y方向の破壊タイプを参照します。
【操作】
[耐震診断]→[CSV形式ファイルの出力]より、第2種構造要素判定結果1又は2をクリックしご参照下さい。
残存軸耐力の計算結果詳細は下記にてご確認下さい。
【操作】
[耐震診断]→[CSV形式ファイルの出力]より、[残存軸耐力一覧]をクリックし確認する検討方向を指定してください。
・AwFc:そで壁断面積×Fc(kN)などが確認出来ます。AwFcは直交そで壁も含み出力しています。
参考
2001年版既存鉄筋コンクリート造建築物の耐震診断基準 同解説
平成17年2月25日2001年改訂版発行6刷発行
項目:3.2.1保有性能基本指標E0算定の方針 (4)建物の終局限界 (d)軸力の算定
2017年版既存鉄筋コンクリート造建築物の耐震診断基準 同解説
平成29年7月1日2017年改訂版発行
項目:3.2.1保有性能基本指標E0算定の方針 (4)建物の終局限界 (d)軸力の算定
DOC-RC/SRC Ver.10 概要編マニュアル
2021年 3月 初刷発行
項目: 3.4.12 第2種構造要素(RC造) 軸力再配分による第2種構造要素の判定
2)残存軸耐力、軸力支持能力の計算[kozo.csv]
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