Fu'と層間変形角について [文書番号 : DOCR00836]

概要
Fu'と層間変形角について回答します。
解説
各方向、各階ごとのEoの計算では変形レベルの基準点とする靭性指標を『Fu'』とし、RC造は11グループ、SRC造は12グループにグルーピングします。 さらに1グループ式[(5)式]、2グループ式[(4)式]、3グループ式[(4)式]の3グループにグルーピングし最大値となるE0を求めます。最大値となるE0を『Fu’に対するEo』とします。
Fu'と層間変形角については下表となります。
層間変形角はFu'=0.8は1/500、Fu'=1.0は1/250、Fu'=1.27は1/150とFu'が増すと変形が進んだ状態となります。


Fu‘ 層間変形角[rad]
0.801/500
1.001/250
1.271/150
2.001/82
3.201/30
3.501/23


補足
診断表においては診断階毎にFu’が0.8から3.2(SRCは3.5)まで、部材のF値に応じて上から下行にIs値とCTU・SD値を出力しています。

2017年RC造耐震診断基準同解説 p100では
『実際には5~15段階程度に分類したF値でまとめてC値を累加してもよい。 』とあります。

プログラムでは
・RC造は11グループとしています。
・SRC造はRC造のグルーピングを準用し、F=3.5を考慮し12グループとています。
・後述の操作によりRC造は13グループ、SRC造は14グループを指定できます。

グルーピング表( 11グループ、RC部材、「2017年版RC診断基準」)
グルーピング番号グループのF値グループに属する鉛直部材のF値破壊タイプ
10.8F=0.8極脆性部材
21.01.0≦F<1.13せん断柱・曲げ柱・せん断壁・曲げ壁
31.131.13≦F<1.27せん断柱・曲げ柱・曲げ壁
41.271.27≦F<1.4曲げ柱・曲げ壁
51.41.4≦F<1.6曲げ柱・曲げ壁
61.61.6≦F<1.8曲げ柱・曲げ壁
71.81.8≦F<2.0曲げ柱・曲げ壁
82.02.0≦F<2.4曲げ柱・曲げ壁
92.42.4≦F<2.8曲げ柱
102.82.8≦F<3.2曲げ柱
113.2F=3.2曲げ柱


グルーピング表( 12グループ、SRC部材 )
グルーピング番号グループのF値グループに属する鉛直部材のF値破壊タイプ
10.8F=0.8脆性部材
21.0F=1.0脆性部材
31.131.13≦F<1.27せん断柱・曲げ柱・せん断壁・曲げ壁
41.271.27≦F<1.4曲げ柱・曲げ壁
51.41.4≦F<1.6曲げ柱・曲げ壁
61.61.6≦F<1.8曲げ柱・曲げ壁
71.81.8≦F<2.0曲げ柱・曲げ壁
82.02.0≦F<2.4曲げ柱・曲げ壁
92.42.4≦F<2.8曲げ柱
102.82.8≦F<3.2曲げ柱
113.23.2≦F<3.5曲げ柱
123.5F=3.5曲げ柱


RC造の13グループ、SRC造の14グループについて
RC造の13グループ、SRC造の14グループは下記2点を念頭に弊社で作成したグルーピングです。
RC造の13グループについては評価番号:P評価11-改2-RC(DOC-RC/SRC Ver8.1)で評価を取得した機能です。
SRC造の14グループについてはRC造のグルーピングを準用しF=3.5を考慮しています。

①F=1.27までを詳細にする
②F=1.5のグループを設ける

【操作】
[耐震診断]→[計算条件]→[耐震診断計算条件]→〔共通(F値・グルーピング・Eo等)〕タブ
グルーピングと保有性能基本指標Eo: Eo算定に用いるグループ数:「RC造は13グループ、SRC造は14グループ」を選択できます。

グルーピング表( 13グループ、RC部材、「2017年版RC診断基準」)
グルーピング番号グループのF値グループに属する鉛直部材のF値破壊タイプ
10.8F=0.8極脆性部材
21.01.00≦F<1.10せん断柱・曲げ柱・せん断壁・曲げ壁
31.101.10≦F<1.20せん断柱・曲げ柱・せん断壁・曲げ壁
41.201.20≦F<1.27せん断柱・曲げ柱・曲げ壁
51.271.27≦F<1.40せん断柱・曲げ柱・曲げ壁
61.401.40≦F<1.50曲げ柱・曲げ壁
71.501.50≦F<1.75曲げ柱・曲げ壁
81.751.75≦F<2.00曲げ柱・曲げ壁
92.002.00≦F<2.25曲げ柱・曲げ壁
102.252.25≦F<2.60曲げ柱
112.602.60≦F<3.00曲げ柱
123.003.00≦F<3.20曲げ柱
133.20F=3.20曲げ柱


グルーピング表( 14グループ、SRC部材 )
グルーピング番号グループのF値グループに属する鉛直部材のF値破壊タイプ
10.8F=0.8脆性部材
21.0F=1.00脆性部材
31.101.10≦F<1.20せん断柱・曲げ柱・せん断壁・曲げ壁
41.201.20≦F<1.27せん断柱・曲げ柱・せん断壁・曲げ壁
51.271.27≦F<1.40せん断柱・曲げ柱・せん断壁・曲げ壁
61.401.40≦F<1.50曲げ柱・曲げ壁
71.501.50≦F<1.75曲げ柱・曲げ壁
81.751.75≦F<2.00曲げ柱・曲げ壁
92.002.00≦F<2.25曲げ柱・曲げ壁
102.252.25≦F<2.60曲げ柱・曲げ壁
112.602.60≦F<3.00曲げ柱
123.003.00≦F<3.20曲げ柱
133.203.20≦F<3.50曲げ柱
143.50F=3.50曲げ柱


参考
2017年RC造耐震診断基準・同解説 p100
関連文書
DOCR00835 診断表の見方



文書情報

製品カテゴリ: DOC-RC/SRC 最終更新日: 2018-06-13
バージョン: DOC-RC/SRC[All],
文書番号: DOCR00836
分類: 計算方法


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