2017年版RC診断基準のA法、B法、C法を使い分ける規定などありますか。 [文書番号 : DOCR00870]

概要
使い分ける規定はありません。
いずれも計算して頂いて、耐震診断者の判断で採用を決めて頂く事としているようです。
回答
建築防災協会の2017年診断基準Q&A NO.28には下記の記述があります。

-------------------
Q
改訂によりS D 指標の算定方法は、A法、B法、C法の3つの手法が提示されていますが、その中で適切だと考えられる手法を選択して、どれか一つの方法で進める、という考えでよろしいでしょうか。
それとも全手法で算出した中でIs 値が一番低いもので評価したほうがよいのか、または、A法では目標値をみたしていないがB法では目標値を満たしているので、B法により評価する、なども考えらえるのでしょうか。

A
S D の算定方法は診断者が選択することが可能ですので、ご質問のような扱いは可能です。
算定方法の仮定と適用範囲をよく吟味していただき、最も適切な方法を選択することが望まれます。
方法はどれか1つでかまいませんが、当面3つの方法で算定して比較検討していただくほうが望ましいと思われます。
-------------------


補足
2017年版RC診断基準の 『剛性分布の検討方法』について

A法
診断基準式による方法で、部材剛性を割線剛性で算出します。
偏心が著しい場合は、「例外事項の適用」が必要となります

B法
SD指標を1/Fesで算出する方法で、部材剛性は、指定により、割線剛性または弾性剛性で算出します。
基本的には偏心による例外事項の適用は不要となりますが、耐震壁が外周部に片側の一方向のみに配置されているような場合(解図3.3.3-9 参照)は、「例外事項の適用」が考えられます。

C法
建物の両方向の外周に耐震壁が有る場合で、弾力半径比re/iが大きな範囲の低層な建物に限定して適用すると記述があります。基本的には偏心による例外事項の適用は不要となります。

「例外事項の適用」について
関連文章:DOCR00458をご参照ください。


【操作】
[耐震診断]→[計算条件]→[耐震診断計算条件]→〔1、2次診断〕タブ より
1)『1次、2次耐震診断の基準』:「2017年版RC診断基準」を選択します。
2)『1、2次診断時、形状指標のグレード・偏心率・剛重比の求め方』 より下記のいずれかを指定します。
・「2017年A法(割線)」
・「2017年B法(割線)」
・「精算法」(2017年B法(弾性剛性)に該当します。)
・「2017年C法(割線)」


【出力】
グラフィック出力
項目:10.5.3 剛性バランス
項目:10.5.4 偏心率
項目:10.5.5 2次形状指標

詳細出力
[耐震診断]→[CSV形式ファイルの出力]→[偏心率・剛性率一覧]を押します。
部材剛性、剛心、重心、偏心率の計算結果を参照できます。


参考
Q&A集『2017年改訂版 既存鉄筋コンクリート造建築物の耐震診断基準・耐震改修設計指針・同解説 質問・回答集(2018.12.25)』
No.28

2017年版既存鉄筋コンクリート造建築物の耐震診断基準 同解説
平成29年7月1日2017年改訂版発行
【本文】項目:3.3.3剛性分布の検討方法

A法について
【解説】
項目:3.3.3剛性分布の検討方法 (2)偏心(L)に関するGの値 (a)A法による場合
項目:3.3.3剛性分布の検討方法 (4)nに関するGの値 (a)A法による場合

B法について
【解説】
項目:3.3.3剛性分布の検討方法 (2)偏心(L)に関するGの値 (b)B法による場合 解図3.3.3-9
項目:3.3.3剛性分布の検討方法 (4)nに関するGの値 (b)B法による場合

C法について
【解説】
項目:3.3.3剛性分布の検討方法 (2)偏心(L)に関するGの値
     (c)剛心から最も離れた鉛直部材の変形に着目したG”lの計算(C法)
項目:3.3.3剛性分布の検討方法 (4)nに関するGの値
     (c)等価一質点系の変形角を利用したG”nの計算(C法)

例外事項の適用について
【解説】項目:3.3.3剛性分布の検討方法 (3)偏在が著しい場合の例外事項

2017年版既存鉄筋コンクリート造建築物の耐震診断基準 適用の手引き
平成29年7月1日2017年改訂版発行
項目:4.2 形状指標SD
項目:付I-3 本基準適用に当たっての留意事項 2.形状指標を算定するための各項目に関する留意事項
項目:付I-5 形状指標(SD)の計算例

DOC-RC/SRC Ver.10 概要編マニュアル
2021年 3月 初刷発行
項目:3.4.18 形状指標SD(2次診断)


関連文書
DOCR00452 『偏心率の求め方』の指定の違いで偏心率が異なります。異なる要因を教えてください。
DOCR00458 「 11.1 2次診断正加力時診断表」に「注:○○階の偏心率が大きすぎるので別途検討が必要!」と出力されます。どのような意味ですか?
DOCR00857 プログラムのマニュアルの参照方法を教えてください。
DOCR00869 2001年版RC診断基準で作成したデータを2017版RC診断基準で再計算する場合の注意点を教えてください。
DOCR00872 2017年基準でB法の計算で、弾性剛性で1/Fesを計算する方法を教えてください。



文書情報

製品カテゴリ: DOC-RC/SRC 最終更新日: 2022-02-21
バージョン: DOC-RC/SRC[ver.10.x],
文書番号: DOCR00870
分類: 計算方法


kozoStation オンライン販売 ソフトウェアのご購入は、オンライン販売からご購入ができます。オンライン販売では、10%OFFでご購入ができます。