2001年版RC診断基準で作成したデータを2017版RC診断基準で再計算する場合の注意点を教えてください。 [文書番号 : DOCR00869]
概要
注意点を回答します。
回答
2017年診断基準では下記①~④の計算内容が変更されています。
結果が異なる要因となりますのでご注意ください。
①部材の剛性
偏心率・剛性バランスに用いる各部材の剛性[K]は割線剛性を用いる方法に変わっています。
②そで壁付き柱の耐力
2001年版のQsu2が、2017年ではQsu1となりました。
新しくQsu2として分割累加式が追加されています。
③F値
そで壁付き柱がF=0.8となる条件が下記のように変更されています。
2001年版RC診断基準
1)ho/Ho≦0.75 の場合:原則として靭性指標は 0.8とする。
ただし、曲げ降伏が先行する場合、靭性指標を1.0としてよい。
2017 年版RC診断基準
1)ho/D≦2
2)Qsu/Qmu≦1
3)ΣAw/Ac≦1/2 (外柱ではΣAw/Ac≦1/4とします)
*ΣAw/Ac:そでの水平断面積(Σ両側の和)、柱部分の水平断面積
④SD指標
SD指標などは入力(グレードの項目、数値)から見直して頂く必要があります。
剛性分布の検討方法についてはA法、B法、C法となっています。
参考
2017年版既存鉄筋コンクリート造建築物の耐震診断基準 同解説
平成29年7月1日2017年改訂版発行
①について
項目:3.3.3 剛性分布の検討方法 【解説】(1)部材剛性の割線剛性
②について
項目:3.2.2 せん断終局強度 (2)分割累加による袖壁付柱のせん断強度Qsu2
③について
項目:3.2.3 袖壁付き柱の変形と靭性指標 (1)靭性指標F (ⅲ)以下の条件すべてに該当する場合はF=0.8とする
④について
項目:3.3形状指標 SD 3.3.1一般 (2)改訂について
2017年版既存鉄筋コンクリート造建築物の耐震診断基準 適用の手引き
平成29年7月1日2017年改訂版発行
②について
項目:4.1.2 袖壁付き柱 (2)袖壁付き柱のせん断終局強度の算定
③について
項目:4.1.2 袖壁付き柱 (3)袖壁付き柱の靭性指標の算定
④について
項目:4.2 形状指標SD
項目:付I-3 本基準適用に当たっての留意事項 2.形状指標を算定するための各項目に関する留意事項
項目:付I-5 形状指標(SD)の計算例
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