診断計算に考慮する雑壁を教えてください。 [文書番号 : DOCR00850] 概要
耐力、剛性、重量に考慮する雑壁について説明します。 回答
DOC-RC/SRCの仕様について回答します。
DOC-RC/SRCで考慮する『雑壁』は躯体は鉄筋コンクリート造を想定し診断計算に耐力、剛性、重量を考慮します。
壁頭・壁脚は大梁や上下階のスラブ、小梁に接続し拘束されていると想定しています。
注意
フレーム内雑壁の直接入力値について
フレーム内雑壁はフレーム内の壁版に配置された開口形状より、自動計算過程で『雑壁』と判定しています。
入力データ作成段階では雑壁と判定できないため、フレーム内雑壁への耐力、剛性、負担軸力等の直接入力を行えません。重量についても配置された壁形状(壁版)の指定に応じます。
フレーム外雑壁の直接入力値について
雑壁はコンクリートブロック造やALCパネル等の様々な壁版のモデル化に利用できるよう、耐力、剛性、負担軸力(省略値は軸力を負担しない)、F値、破壊モードを直接入力できます。
雑壁の躯体重量については DB7.0.1.0以後より指定できるようになりました。
ご利用のバージョンにより計算仕様が異なる場合があります。ご注意ください。
DOC-RC/SRC Ver.9.0 DB6.9.1.11まで
壁版の躯体重量について、配置基点となる柱の単位体積重量を参照していました。
DOC-RC/SRC Ver.9.0 DB7.0.1.0(2019年7月公開)以後
材料の個別配置の指定で「部材符号で入力」を指定すると雑壁毎に『コンクリート材料名称』を選択できます。選択した材料名称より、壁版の躯体重量計算に用いる単位体積重量を指定できます。
【材料の個別配置の選択方法】
メニュー[基本データ入力]→[基本データ]→[データ入力条件]より
材料の個別配置の指定:「部材符号で入力」を選択できます。
【コンクリート材料名称の登録方法】
メニュー[基本データ入力]→[材料]→[材料データの直接入力]→〔コンクリート〕タブ より
材料データの直接入力を行います。
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任意軸上の壁配置について
DOC-RC/SRCでは任意軸上のはり・壁部材は弾性解析時のモデル化に考慮されます。
診断計算時の耐力、F値、剛性には考慮されません。
フレーム内雑壁も診断計算時に考慮されませんのでご注意ください。
ダミー部材で囲まれた壁部材について
ダミー部材の部材心間を壁版の長さとし通常のフレーム内雑壁と同様に考慮します。
雑壁のせん断耐力(Qu)の上限について
雑壁は、柱型無し壁として曲げ耐力(Mu)、せん断耐力(QmuおよびQsu)を計算します。
耐力の上限として『平均せん断応力度τの上限(N/mm2)』を超えないものとします。
τの上限(省略値)については、明確な基準が確認できないため1次診断時の終局時平均せん断応力度を参考に下記としています。
・フレーム内雑壁(構面内雑壁)は両側柱型壁を参考に 3 N/mm2(省略値)
・フレーム外雑壁(構面外雑壁)は袖壁付き柱を参考に 2 N/mm2(省略値)
【平均せん断応力度τの上限(N/mm2)の変更方法】
メニュー[耐震診断]→[計算条件]→[耐震診断計算条件]→〔共通(モデル化・終局強度)〕タブ より省略値を変更できます。
詳細 【グラフィック出力項目】
『 9.4.6 各層節点重量の内訳 』
『 10.1.2 雑壁の終局強度と靭性能(正加力時) 又は(負加力時) 』
『 出力項目:9.4.7 柱軸力に加算しない重量 』
【CSV形式ファイルの詳細出力】
[耐震診断]→[CSV形式ファイルの出力]→[せん断終局強度Qsu一覧] より
各方向最下欄で雑壁の耐力を確認できます。
[耐震診断]→[CSV形式ファイルの出力]→[曲げ終局耐力MU一覧]より
各方向最下欄で雑壁の耐力を確認できます。
[耐震診断]→[CSV形式ファイルの出力]→[偏心率、剛性率一覧]より
考慮した割線剛性等の結果を確認できます。
【ウインドウ】
『入力形状の確認方法』
[ウインドウ]→[3Dモデルの表示]より
壁配置、フレーム外雑壁を含め3Dモデルで立体的に入力形状を確認できます。
フレーム外雑壁に配置した開口を確認できます。
『破壊モード図の確認方法』
[ウインドウ]→[耐震診断]→[破壊モード図の表示]より
破壊モード図をフレーム毎に確認できます。フレーム内雑壁の破壊モードが描画されます。
フレーム外雑壁については確認できません。
表示画面上で右クリックしますと、ショートカットキーにより表示設定を変更できます。
参考
DOC-RC/SRC Ver.10 概要編マニュアル 2021年 3月 初刷発行 項目:3.2.7壁高さと反曲点高さ 2)雑壁の反曲点高さhw0の取り方と平均せん断応力度τの上限 項目:3.4.2鉛直部材の終局強度 表3.4.1鉄筋コンクリート断面のピース分割 断面タイプ 7 項目:3.4.4せん断終局強度の計算 3)柱なし壁のせん断強度 項目:3.4.11靭性指標F(2次診断) 項目:雑壁F値の扱い 2017年版既存鉄筋コンクリート造建築物の耐震診断基準 同解説 平成29年7月1日2017年改訂版発行 項目:3.2.2強度指標C (1)第1次診断による場合 凡例 τw1、τw2 2017年改訂版 実務者のための耐震診断マニュアル 平成29年11月 一般財団法人 建築士事務所協会 項目:2.7.2建物のモデル化 (6)壁のモデル化 (a)原則 ④雑壁 厚さ10cm以上であれば 耐力、剛性に考慮する 項目:2.7.2建物のモデル化 (6)壁のモデル化 (b)構面内の雑壁 項目:2.7.2建物のモデル化 (6)壁のモデル化 (d)構面外の雑壁 項目:2.7.3部材耐力等の計算 (5)雑壁の耐力等の計算 【診断計算以外の参考資料】 建築構造設計指針2010 改訂7版2010年6月24日(1刷) 項目:1)耐震設計ルートに応じた雑壁の取り扱い 項目:7)構造設計における扱い ③タイプC 建築構造設計指針2010 鉄筋コンクリート配筋標準図(2) 項目:9)壁 C 床に(非耐力壁とスラブが取り合う場合) 関連文書 DOCR00806 そで壁の耐力への考慮DOCR00840 壁形状の開口周比の計算対象と「しない」の利用方法を教えてください。 DOCR00849 片持ちばりが取り付かない外部そで壁を自動で雑壁として考慮できますか。 DOCR00857 プログラムのマニュアルの参照方法を教えてください。 文書情報
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