一般財団法人 日本建築防災協会より
Q&A集『2017年改訂版 既存鉄筋コンクリート造建築物の耐震診断基準・耐震改修設計指針・同解説 質問・回答集(2018.12.25)』が公開されています。
NO.71の質問ではCase2(片持ちばりが取り付かない外部そで壁付き柱)について『梁が無い場合は耐力は雑壁扱い』と回答されています。
DOC-RC/SRCではCase2片持ちばりが取り付かない外部そで壁を自動で雑壁として考慮できますか。
片持ちばりが取り付かない外部そで壁を自動で雑壁として考慮できますか。 [文書番号 : DOCR00849] 概要
計算方法について回答します。 質問 一般財団法人 日本建築防災協会より
Q&A集『2017年改訂版 既存鉄筋コンクリート造建築物の耐震診断基準・耐震改修設計指針・同解説 質問・回答集(2018.12.25)』が公開されています。 NO.71の質問ではCase2(片持ちばりが取り付かない外部そで壁付き柱)について『梁が無い場合は耐力は雑壁扱い』と回答されています。 DOC-RC/SRCではCase2片持ちばりが取り付かない外部そで壁を自動で雑壁として考慮できますか。 回答
Case1は自動計算で考慮できます。 Case2は自動計算で考慮できません。 Case2の柱部を片側そで壁付き柱、外部そで壁部を雑壁として考慮する場合はモデル化が必要となります。 モデル化については診断者判断となりますが 例えば、Case2について『ダミー柱とスリット状の開口を設けた壁形状を用いる場合』を紹介します。 下図では柱部が片側そで壁付き柱となり、外部そで壁部がフレーム内の雑壁となります。 重量、耐力、割線剛性に考慮されます。 【操作例】 1)外部そで壁の出の方向に、出の長さをスパン長とした仮想軸をに1スパン設けます。 2)壁形状配置用に梁せいをスラブ厚、梁幅を壁厚としたはり符号を作成し、壁頭・壁脚の位置に配置します。 最下層の梁については解析モデルが不安定とならないよう十分な断面寸法とします。 3)壁形状配置用にダミー柱を配置します。 4)そで壁部を入力するため、柱ぎわにスリット状の開口を設けた壁を配置します。 5)そで壁外端の脚部の支点を解除します。 正加力時の破壊モード図は下記のようになります。 【その他の入力方法と注意点】 Case2のそで壁部にフレーム外雑壁(SPWレコード)配置を用いた場合 ・フレーム外雑壁の重量の伝達経路が特定できず柱軸力に加算されません。 柱軸力に加算するためには、そで壁の取りつく節点へ、節点の負担するそで壁重量の『追加重量の直接入力』が有効です。ただし、地震力計算用の層重量、診断計算用の総重量については、フレーム外雑壁重量が考慮されていますので、追加重量との二重考慮となります。フレーム外雑壁の登録時に、「壁重量の伝達方法:はり荷重項、柱軸力、地震時軸力に加算しない。」と指定しますと地震力計算用の層重量、診断計算用の総重量からフレーム外雑壁の重量が除かれ二重考慮を解消できます。 ・フレーム図及び破壊モード図にフレーム外雑壁が描画されません。 【操作】 ・[基本データ入力]→[壁]→[雑壁の入力]より 壁重量の伝達方法:「はり荷重項、柱軸力、地震力に加算しない」 を指定します。 ・[構造計算共通条件]→[特殊荷重]→[追加重量]より 各荷重項の値を指定し『柱軸力に加算する』を選択し該当の節点に配置します。 【出力】 ・出力項目:9.4.7 柱軸力に加算しない重量(雑壁・任意点追加重量) Case2のそで壁部にそで壁配置(DPWレコード)を用いた場合 ・そで壁と柱を一体とみなして部材耐力、割線剛性、弾性剛性に考慮します。 建防協のQ&Aの回答欄の『梁が無い場合は耐力は雑壁扱い』について対応していません。 詳細 【グラフィック出力】 ・10.1.1 部材の終局強度と靭性能 ・10.1.2 雑壁の終局強度と靭性能 ・10.4.2 破壊モード図(軸組図) 【計算結果の詳細】 診断計算終了後にCSV形式出力で詳細な計算結果をご確認いただけます。 柱の耐力について 【操作】 ・[耐震診断]→[CSV形式ファイルの出力]→[終局強度の個別出力]より 柱・壁にチェックを入れ、部材軸を指定し[OK]を押します。 雑壁の曲げ耐力、せん断耐力について 【操作】 ・[耐震診断]→[CSV形式ファイルの出力]→[せん断終局強度Qsu一覧] ・[耐震診断]→[CSV形式ファイルの出力]→[曲げ終局耐力MU一覧] ※CSVファイルの各方向最下の欄をご確認ください。 部材の剛性について 【操作】 ・[耐震診断]→[CSV形式ファイルの出力]→[偏心率、剛性率一覧] 参考
2017年版既存鉄筋コンクリート造建築物の耐震診断基準 同解説 平成29年7月1日2017年改訂版発行 2017年版既存鉄筋コンクリート造建築物の耐震改修設計指針 同解説 平成29年7月1日2017年改訂版発行 2017年版既存鉄筋コンクリート造建築物の耐震診断基準 改修設計指針 適用の手引き 平成29年7月1日2017年改訂版発行 上記の参考文献に外部袖壁についての直接的な計算方法等の記述を確認できませんでした。 Q&A集『2017年改訂版 既存鉄筋コンクリート造建築物の耐震診断基準・耐震改修設計指針・同解説 質問・回答集(2018.12.25)』 項目:71 DOC-RC/SRC Ver.10 概要編マニュアル 2021年 3月 初刷発行 項目:3.4.4せん断終局強度の計算 3)柱なし壁のせん断強度 文書情報
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