診断計算に考慮する雑壁を教えてください。 [文書番号 : DOCR00850]

概要
耐力、剛性、重量に考慮する雑壁について説明します。
回答
DOC-RC/SRCの仕様について回答します。
DOC-RC/SRCで考慮する『雑壁』は躯体は鉄筋コンクリート造を想定し診断計算に耐力、剛性、重量を考慮します。 壁頭・壁脚は大梁や上下階のスラブ、小梁に接続し拘束されていると想定しています。

------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------

フレーム内雑壁について
壁形状の配置(伏図上の青色)により上下階の大梁に接続する雑壁(方立壁、束壁)をフレーム内雑壁(構面内雑壁)としています。
壁長さ Lw=45㎝以上、壁厚 t=10㎝以上を考慮します。

 通常開口の壁の開口包絡指定について
 『開口を包絡した面積』とした場合 開口間の雑壁は包絡範囲内とし剛性・耐力に考慮されません。
 『開口面積の和を用いる』とした場合 開口間の雑壁を剛性・耐力に考慮します。

※開口包絡指定で『開口面積の和を用いる』に変更しますと開口周比が0.4を下回り耐震壁と判定される場合があります。一般壁とする場合は壁開口周比の直接入力で0.4以上を指定しますと雑壁を考慮します。

 スリット開口について
 スリット開口を考慮し一般壁となった場合
 通常開口間の壁につては『壁の開口包絡指定』に応じフレーム内雑壁を判定します。
 三方スリットとしている場合は、壁版下面の接続がないためフレーム内雑壁となりません。

 重量について
 入力形状通りに考慮します。

【壁の配置方法】
[データ入力条件]の壁の入力 が 『壁形状』 の場合
1)メニュー[基本データ入力]→[壁]→[部材形状の入力] より壁形状を追加します。
2)メニュー[基本データ入力]→[壁]→[部材の配置]より伏図又はフレーム図で該当の構面に配置します。

[データ入力条件]の壁の入力 が 『壁形状2』 の場合
1)メニュー[基本データ入力]→[壁]→[部材形状の入力]より〔壁形状2(RC、SRC)〕等の各タブ より登録します。
2)メニュー[基本データ入力]→[壁]→[部材の配置]、[壁開口の配置]、[壁計算条件の配置]の何れかを選択します。
3)伏図又はフレーム図で該当の構面に配置します。

【壁開口周比直接入力の方法】 
1)メニュー[構造計算共通条件]→[モデル化]→[壁開口周比直接入力] を押します。
2)各項の値を入力し、[配置]ボタンを押し下げ、伏図またはフレーム図より該当部材をクリックしご指定ください。
------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------

フレーム外雑壁について
雑壁配置(伏図上のピンク色)により上下階のスラブや小梁に接続する雑壁をフレーム外雑壁(構面外雑壁)としています。
壁長さ Lw=45㎝以上、壁厚 t=10㎝以上を考慮します。

 開口について
 雑壁の入力では『壁形状名称又は壁開口符号』が指定できます。
 雑壁個材には、データ入力上の構造心がありません。
 開口の配置用の軸は、雑壁の上端は上階のスラブ天端、下端は雑壁配置階のスラブ天端とします。
 左端、右端は雑壁側面部を軸としています。
 雑壁も一般壁と同様に開口位置を指定して下さい。
 開口はせん断耐力(Qu)の低減及び部材剛性の低減に考慮する開口周比の計算及び重量計算に考慮します。

 重量について
 重量計算は指定された開口を考慮し入力形状の通りに重量を考慮します。
 また、雑壁の入力時に『壁重量の伝達方法』を指定できます。
 床面外に配置されているフレーム外雑壁は、重量の伝達経路が特定出来ません。
 『壁重量の伝達方法』の指定によらず柱軸力計算用の重量には考慮されません。

【フレーム外雑壁の配置方法】
メニュー[基本データ入力]→[壁]→[雑壁の入力] より
雑壁を追加します。伏図の表示の入力画面にピンク色で描画されます。


注意
フレーム内雑壁の直接入力値について
フレーム内雑壁はフレーム内の壁版に配置された開口形状より、自動計算過程で『雑壁』と判定しています。
入力データ作成段階では雑壁と判定できないため、フレーム内雑壁への耐力、剛性、負担軸力等の直接入力を行えません。重量についても配置された壁形状(壁版)の指定に応じます。


フレーム外雑壁の直接入力値について
雑壁はコンクリートブロック造やALCパネル等の様々な壁版のモデル化に利用できるよう、耐力、剛性、負担軸力(省略値は軸力を負担しない)、F値、破壊モードを直接入力できます。
雑壁の躯体重量については DB7.0.1.0以後より指定できるようになりました。
ご利用のバージョンにより計算仕様が異なる場合があります。ご注意ください。

  DOC-RC/SRC Ver9.0 DB6.9.1.11まで
 壁版の躯体重量について、配置基点となる柱の単位体積重量を参照していました。

  DOC-RC/SRC Ver9.0 DB7.0.1.0(2019年7月公開)以後
 材料の個別配置の指定で「部材符号で入力」を指定すると雑壁毎に『コンクリート材料名称』を選択できます。選択した材料名称より、壁版の躯体重量計算に用いる単位体積重量を指定できます。

  【材料の個別配置の選択方法】
  メニュー[基本データ入力]→[基本データ]→[データ入力条件]より
  材料の個別配置の指定:「部材符号で入力」を選択できます。

  【コンクリート材料名称の登録方法】
  メニュー[基本データ入力]→[材料]→[材料データの直接入力]→〔コンクリート〕タブ より
  材料データの直接入力を行います。 ------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------

任意軸上の壁配置について
DOC-RC/SRCでは任意軸上のはり・壁部材は弾性解析時のモデル化に考慮されます。
診断計算時の耐力、F値、剛性には考慮されません。
フレーム内雑壁も診断計算時に考慮されませんのでご注意ください。

ダミー部材で囲まれた壁部材について
ダミー部材の部材心間を壁版の長さとし通常のフレーム内雑壁と同様に考慮します。

雑壁のせん断耐力(Qu)の上限について
雑壁は、柱型無し壁として曲げ耐力(Mu)、せん断耐力(QmuおよびQsu)を計算します。
耐力の上限として『平均せん断応力度τの上限(N/mm2)』を超えないものとします。
τの上限(省略値)については、明確な基準が確認できないため1次診断時の終局時平均せん断応力度を参考に下記としています。

・フレーム内雑壁(構面内雑壁)は両側柱型壁を参考に 3 N/mm2(省略値)
・フレーム外雑壁(構面外雑壁)は袖壁付き柱を参考に 2 N/mm2(省略値)

 【平均せん断応力度τの上限(N/mm2)の変更方法】
 メニュー[耐震診断]→[計算条件]→[耐震診断計算条件]→〔共通(モデル化・終局強度)〕タブ より省略値を変更できます。



詳細
【グラフィック出力項目】
 『 9.4.6 各層節点重量の内訳 』
 『 10.1.2 雑壁の終局強度と靭性能(正加力時) 又は(負加力時) 』
 『 出力項目:9.4.7 柱軸力に加算しない重量 』

【CSV形式ファイルの詳細出力】
 [耐震診断]→[CSV形式ファイルの出力]→[せん断終局強度Qsu一覧] より
 各方向最下欄で雑壁の耐力を確認できます。

 [耐震診断]→[CSV形式ファイルの出力]→[曲げ終局耐力MU一覧]より
 各方向最下欄で雑壁の耐力を確認できます。

 [耐震診断]→[CSV形式ファイルの出力]→[偏心率、剛性率一覧]より
 考慮した割線剛性等の結果を確認できます。

【ウインドウ】
 『入力形状の確認方法』
 [ウインドウ]→[3Dモデルの表示]より
 壁配置、フレーム外雑壁を含め3Dモデルで立体的に入力形状を確認できます。
 フレーム外雑壁に配置した開口を確認できます。

 『破壊モード図の確認方法』
 [ウインドウ]→[耐震診断]→[破壊モード図の表示]より
 破壊モード図をフレーム毎に確認できます。フレーム内雑壁の破壊モードが描画されます。
 フレーム外雑壁については確認できません。
表示画面上で右クリックしますと、ショートカットキーにより表示設定を変更できます。

参考
DOC-RC/SRC Ver9 概要編マニュアル 2018 年 2 月 初版第1刷発行
 ・3章-13頁
  中項目:3.2.7壁高さと反曲点高さ
   小項目:2)雑壁の反曲点高さhw0の取り方と平均せん断応力度τの上限

 ・3章-30頁~3章-31頁
  中項目:3.4.2鉛直部材の終局強度
   小項目: 表3.4.1鉄筋コンクリート断面のピース分割 断面タイプ 7

 ・3章-40頁~3章-42頁
  中項目:3.4.4せん断終局強度の計算
   小項目:3)柱なし壁のせん断強度

 ・3章-89頁
  中項目:3.4.11靭性指標F(2次診断)
   小項目:雑壁F値の扱い

2017年版既存鉄筋コンクリート造建築物の耐震診断基準 同解説 平成29年7月1日2017年改訂版発行
 ・12頁 3.2.2強度指標C (1)第1次診断による場合 凡例 τw1、τw2

2017改訂版 実務者のための耐震診断耐マニュアル 平成29年11月 一般財団法人 建築士事務所協会
 ・39頁 (6)壁のモデル化 ④雑壁 厚さ10cm以上であれば 耐力、剛性に考慮する
 ・42頁 (d)構面外の雑壁 
 ・49頁~50頁 (5)雑壁の耐力等の計算

【診断計算以外の参考資料】
建築構造設計指針2010 改訂7版2010年6月24日(1刷)
 ・234頁 1)耐震設計ルートに応じた雑壁の取り扱い
 ・236頁 7)構造設計における扱い ③タイプC

建築構造設計指針2010 鉄筋コンクリート配筋標準図(2)
 ・9)壁 C 床に(非耐力壁とスラブが取り合う場合)

関連文書
DOCR00806 そで壁の耐力への考慮
DOCR00840 壁形状の開口周比の計算対象と「しない」の利用方法を教えてください。
DOCR00849 片持ちばりが取り付かない外部そで壁を自動で雑壁として考慮できますか。



文書情報

製品カテゴリ: DOC-RC/SRC 最終更新日: 2019-08-28
バージョン: DOC-RC/SRC[ver.9.x],
文書番号: DOCR00850
分類: 計算方法


kozoStation オンライン販売 ソフトウェアのご購入は、オンライン販売からご購入ができます。オンライン販売では、10%OFFでご購入ができます。