FAP-3では、ブレース部材、側柱、境界ばりの断面性能を指定します。
※以下は入力データ作成の一例です。実状に応じて設計者の判断で入力して下さい。
- ブレース 両端をピンとします。
- 側柱 両端をピンとします。
- はり はりは剛体と考え、軸、せん断、曲げ剛性増大率のφx、φz、φmyとして充分大きな係数(例えば10~50程度)を入力します。
ブレース断面積Abは壁の水平方向のせん断剛性を2本のブレースで等価となる様に算定します。
壁とブレースに単位の水平力を与えたときの水平変形は、剛性が等価なことから、壁の変形δwとブレースの変形δbは等しくなります。
δwはせん断変形成分であるから、
δw=H×κ/(G×Aw)=H×κ/(G×L×t)
となります。
δbは仮想仕事法を適用し、
δb=((L2+H2)1/2)3/(2×E×Ab×L2)
となります。
δwとδbは等しいことからAbは以下のように求まります。
Ab=G×t×((L2+H2)1/2)3/(2×κ×E×L×H)
κ :形状係数(κ=1.2)
H :壁の高さ
L :スパン長さ(軸心)
t :壁厚さ
E :ヤング係数
G :せん断弾性係数
水平せん断剛性を等価にする |
曲げ剛性と軸剛性は、耐震壁の両側柱部材の剛性が、壁付帯柱と等しくなると考えます。
壁付帯柱の断面2次モーメントI 1 は
I1≒A0×L2/2 + t×L3/12 (A0:柱断面積)
置換後の断面2次モーメントI2は、柱部材の断面積をAcとすれば
I2≒Ac×L2/2
したがって、柱部材の断面積AcはI1=I2より、
Ac≒A0+t×L/6
となり柱と、壁のL/6の範囲が有効に効くするとします。
この形状による壁全体の曲げ剛性と等価となるように柱の軸剛性増大率φxを求めて入力します。
柱の有効断面積 |
曲げ剛性を等価にする |
ブレース置換 |