木造軸組構法・枠組壁構法などの場合の熱橋面積比率について [文書番号 : SAVE00036]

概要
充填断熱の場合と外張断熱の場合のそれぞれの工法における、各部位の熱橋面積比率について説明します。
解説
外皮(外壁、屋根、床、天井、土間床)材料の熱貫流率に関して、木造などの場合には、外皮材料を熱橋部も含めた層構成として登録し、材料構成と面積比率を設定することにより平均熱貫流率を求め、断熱性能を評価します。

面積比率を求めるには、断熱層を貫通する構造材や下地材など、熱橋部の外皮面での面積を1つずつ積算しなければなりませんが、木造軸組構法や枠組壁構法などの場合、躯体モジュールが標準化されているため、規模や形状によらず一定の数値とすることができます。
面積比率を定数化することにより、熱橋部の面積拾いの作業を省略することができます。

ここでは、充填断熱の場合と外張断熱の場合のそれぞれの工法における、各部位の熱橋面積比率について説明します。

充填断熱もしくは外張断熱と付加断熱を併用する工法の場合は、[文書番号:SAVE00037]にて解説しています。
解説
充填断熱の場合

木造軸組工法の熱橋面積比率
部位 工法の種類等 熱橋面積比率 備考
床梁工法 根太間に断熱する場合 0.20  
束立大引工法 根太間に断熱する場合 0.20  
大引間に断熱する場合 0.15  
床梁土台同面工法 根太間に断熱する場合 0.30  
外壁 柱・間柱に断熱する場合 0.17  
天井 桁・梁間に断熱する場合 0.13 桁・梁が断熱材を貫通せず、断熱材厚さが下地材の寸法を大きく超える場合は、熱橋部としなくてよい
屋根 垂木間に断熱する場合 0.14 登り梁構造の場合も、適用してよい


枠組壁工法の熱橋面積比率
部位 工法の種類等 熱橋面積比率 備考
根太間に断熱する場合 0.13  
外壁 スタッド間に断熱する場合 スタッド等 0.2  
まぐさ 0.03  
天井 - - - 在来木造住宅と同等とする。
天井垂木間での充填断熱の場合は、下地構成がほぼ同じ、床の面積比率を適用する
屋根 垂木間に断熱する場合 0.14  


木質パネル工法等の熱橋面積比率
部位 説明
外壁 部材量は枠組壁工法に近いため、簡易に計算する場合には枠組壁工法の面積比率を適用する
構成によって、木造軸組構法、枠組壁工法のいずれかの面積比率を適用する
解説
外張断熱の場合

外張断熱材に下地がない場合や、断熱材を2層張り以上とする場合は、構造材や下地材は熱橋と見なさなくてよいとされています。
断熱材を1層張りとし、断熱材を貫通する木下地を設ける場合は、充填断熱の木造軸組工法の面積比率を適用します。
補足
ここで説明した数値は、一般的な提案値とされています。
個々の工法に応じた断熱設計やより精度の高い断熱設計を行う場合には、各部材の面積比率を計算し、設定する必要があります。

各部材の面積比率の計算方法は、[文書番号:SAVE00038]にて解説しています。
関連文書
SAVE00037 木造軸組構法・枠組壁構法などで付加断熱を併用する場合の熱橋面積比率について 
SAVE00038 熱橋部を含む外皮材料の熱橋面積比率の設定方法について



文書情報

製品カテゴリ: SAVEシリーズ 最終更新日: 2012-01-20
バージョン: SAVE-住宅 Ver.2,SAVE-Q値μ値(Q値μ値計算)[Ver.2.x],Q値μ値計算[Ver.2.x],
文書番号: SAVE00036 バージョンの制限: SAVE-住宅Ver.2.0.0.0以降、Q値μ値計算Ver1.0.0.7以降
分類:


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