RC造の柱はり接合部計算を行う壁長さの初期値を「0mm」としている理由を教えてください。 [文書番号 : NBUS00099] 概要
RC造柱はり接合部の断面計算、せん断耐力計算の対象とする『計算を行う最大壁長さ(mm)』は純ラーメン架構を想定し初期値を「0mm」としています。仕様の参考文献について説明します。 回答
RC計算条件の柱はり接合部の計算において『計算を行う最大壁長さ(mm)』の初期値を0mmとしています。 初期値を『0mm』とした理由は、RC規準(1999年版以降)「15条」の柱梁接合部の記述に「純ラーメン部分の柱梁接合部を対象として・・・」とあります。また、2020年版建築物の構造関係技術基準解説書の記載でも終局強度式の記号説明で垂れ壁や腰壁の記載が無く『はり幅』や『柱せい』と記述されています。 上記より、RC造柱はり接合部の断面計算、せん断耐力の確認は純ラーメン架構での検討と読み取れます。 そのため、「柱はり接合部計算を行う最大壁長さ」での初期値を「0mm」としています。 【参考文献】 鉄筋コンクリート構造計算規準・同解説 -許容応力度設計法- 1999年11月1日第7版第1刷 項目:15条梁・柱および柱梁接合部のせん断補強 4.柱梁接合部 (1)基本事項 抜粋:『新たに純ラーメン部分の柱梁接合部を対象として許容応力度設計法の規定を盛り込むこととした。』 鉄筋コンクリート構造計算規準・同解説 -許容応力度設計法- 2018年12月5日第9版第1刷 項目:15条梁.柱および柱梁接合部のせん断に対する算定 3.柱梁接合部 (1)基本事項 解説 抜粋:『純ラーメン部分の柱梁接合部を対象として・・・』 2020年版建築物の構造関係技術基準解説書 令和2年10月26日第1版第1刷発行 項目:付録1-3. 1 鉄筋コンクリート造部材の力学モデルに関する技術資料 (6) 柱はり接合部 6 終局強度 抜粋:式(付1.3-47) bb :はり幅、DJ :柱せい,又は90゜折曲げ筋水平投影長さ(mm) 【補足】 垂壁、腰壁、そで壁が取りつく場合の明確な文献等を確認できておりません。 計算に考慮する壁長さの設定については設計者判断をお願いいたします。 詳細 【操作】 [上部計算]→[計算条件]→[計算条件]→[断面計算条件] タブ:RC/SRC計算条件→柱はり接合部の計算 より ・計算を行う最大壁長さ(mm):0mm(初期値) 説明 計算を行う最大壁長さを入力します。 入力欄をクリックして、数値を入力してください。 ここで入力した長さ以上の壁が付く柱はり接合部は計算を行いません。 ※断面計算条件の項目ですが『RC柱はり接合部のせん断耐力の確認』においても 上記の指定を考慮し、後述の動作となります。 【動作の詳細】 柱はり接合部の計算を行う最大壁長さの判定対象となる『壁』については 垂壁、腰壁、そで壁のいずれもを対象としています。 以下のいずれかの条件を満たす場合は当該柱はり接合部の計算を省略します。 ・柱はり接合部に取り付くはりが耐力壁の付帯ばりである場合 ・柱はり接合部に取り付くはりが垂れ壁付きはりであり その垂壁の高さが最大壁長さ以上(最大壁長さ≦垂壁の高さ)である場合 ・柱はり接合部に取り付くはりが腰壁付きはりであり その腰壁の高さが最大壁長さ以上(最大壁長さ≦腰壁の高さ)である場合 ・柱はり接合部に取り付く柱が耐力壁の付帯柱である場合 ・柱はり接合部に取り付く柱がそで壁付き柱であり そのそで壁の長さが最大壁長さ以上(最大壁長さ≦そで壁の長さ)である場合 【補足】 『計算を行う最大壁長さ』以上の壁と判定された場合の動作について 前述の確認時における垂壁高さ、腰壁高さ、そで壁長さは、剛性増大率計算時の値としています。 計算編 マニュアルの「第5章 準備計算・応力計算 5.2.1.3 壁のモデル化 表5.2.1-1 壁の扱い」に基づいて垂壁、腰壁、そで壁と見なされた一般壁として計算の対象となります。 【出力項目】 入力データ書 項目:I-2.7.2 計算条件 表:柱はり接合部の計算 柱はり接合部の計算を行う最大壁長さ:0 (mm) 構造計算書 項目:7.9.1 RC造柱はり接合部の断面検定表 項目:11.6.6 柱はり接合部の検定(RC造・SRC造・CFT造) (1) RC造柱はり接合部せん断耐力 CSV形式の内訳出力 『RC柱はり接合部.CSV』で「7.9.1 RC造柱はり接合部の断面検定表」の計算過程を出力しています。※ ※柱はり接合部は構造プロパティが設けられていないため、『RC柱はり接合部.CSV』は当該接合部に取り付くRCはりが断面計算の対象となっている、かつ『計算過程のCSV出力』の指定が出力する、となっている場合に出力されます。はりの指定を参照する理由は、主軸x方向y方向別に計算を実行し出力できるようにするためです。操作方法は関連文書欄より NBUS00024をご確認ください。 なお、「11.6.6 柱はり接合部の検定(RC造・SRC造・CFT造)(1) RC造柱はり接合部せん断耐力」についてはCSV形式の内訳出力を設けておりません。 【計算編マニュアル】 構造モデラ―+NBUS7 Ver.3 計算編 マニュアル 2023 年 10月 初版発行 項目:6.3.4 RC造柱はり接合部の断面計算 項目:5.2.1.3 壁のモデル化 表5.2.1-1 壁の扱い 項目:9.3.5.3 RC柱はり接合部のせん断耐力の確認 関連文書 NBUS00008 構造モデラ―シリーズの計算編マニュアルの参照方法を教えてください。NBUS00024 断面計算結果の詳細を確認できますか。 文書情報
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