構造モデラ―+NBUS7 Ver.1.2.4.1(2021年11月公開以前)
許容応力計算条件の「基礎平面偏心による付加曲げモーメントを考慮する」 を選択した場合でも
保有水平耐力計算時には基礎平面偏心による付加曲げモーメント(以降、付加曲げモーメント)を考慮していませんでした。
構造モデラ―+NBUS7 Ver.1.2.4.2(2022年1月公開以降)
①指定により、保有水平耐力計算時の初期応力として付加曲げモーメントを考慮します。
原則として
解析制御条件の水平力の加力制御条件の指定によらず
「基礎荷重として入力した特殊荷重の取り扱い」で「建物全体で処理する」を選択した場合には
保有水平耐力計算時の初期応力として付加曲げモーメントを考慮します。
さらに
②保有水平耐力計算時の各方向の増分荷重(外力)として付加曲げモーメントを加算する場合
下記の1)~3)の指定により考慮します。
1)許容応力計算条件の「基礎平面偏心による付加曲げモーメントを考慮する」 を選択する。
2)許容応力計算条件の「基礎荷重として入力した特殊荷重の取り扱い」で
「建物全体で処理する」を選択する。
3)解析制御条件の水平力の加力制御条件で「荷重分割(特殊荷重を考慮する)」を選択する。
『
増分荷重(外力)として加算する付加曲げモーメントの計算方法』
荷重分割による増分解析では許容計算で用いた基礎平面偏心付加曲げモーメント荷重から
以下のように『最大曲げモーメント荷重』を算出し、増分荷重(外力)として建物に作用させます。
最大曲げモーメント荷重 =
許容計算で使用した基礎平面偏心付加曲げモーメント荷重 × Co(保有計算)/Co(許容計算)
許容計算で使用した基礎平面偏心付加曲げモーメント荷重
準備計算結果の内訳計算書「§4 曲げ戻し荷重」の「4.1 曲げ戻し荷重一覧」の値を考慮します。
詳細は、
NBUS00060 をご参照ください。
Co(保有計算)/Co(許容計算)
初期値はCo(保有計算):1.0、Co(許容計算):0.2です。
初期値の変更が無ければ、1.0/0.2=5.0となり、5.0倍の割り増しを乗じます。
『
最大曲げモーメント荷重』の考慮について
増分解析時に上記で求めた『最大曲げモーメント荷重』は、増分解析時のステップの分割数に応じ、最大曲げモーメント荷重を分割し、ステップ毎に建物に外力を加え作用させます。
例えば
最大曲げモーメント荷重が100kNmで、ステップの分割数が100の場合、ステップが進む毎に
1kNmの基礎平面偏心付加曲げモーメントを外力として作用させます。
『
ステップの分割数の指定方法』について
水平力の加力制御条件で「荷重分割(特殊荷重を考慮する)」を選択した場合の「荷重分割数(初期値:20)」が
上記の『ステップの分割数』に該当します。
【注意】
・最大曲げモーメント荷重を考慮する計算方法は、部材の弾性状態を想定しています。
・計算に考慮した最大曲げモーメント荷重、ステップ毎の外力(曲げモーメント)
ステップ毎の負担応力について出力を設けていません。