杭頭曲げモーメント、杭頭せん断力は直接入力できますか? [文書番号 : NBUS00056]

概要
直接入力できます。 入力値と入力手順について回答します。
回答
構造モデラー+NBUS7では単独起動した場合でも杭基礎の配置を利用できます。
構造モデラー+基礎の有無にかかわらず、配置した『杭基礎』ごとに
杭頭曲げモーメント(Mo)と杭頭せん断力(Qo)を指定できます。
入力値入力手順についてご説明します。


『入力値』
 何れの『入力方法』とした場合も、各入力項目では以下のように杭1本あたりの値を指定します。

 杭1本あたりの杭頭曲げモーメント(Mo)
 杭の設計で求めた杭頭曲げモーメントMoX(X軸回り)、MoY(Y軸回り)を入力します。
 杭頭曲げモーメントは応力解析時に節点力として作用します。

 杭1本あたりの杭頭せん断力(Qo)
 杭の設計で求めた杭一本あたりの負担せん断力を入力します。
 基礎ばり心から杭頭までの距離hを掛けて水平力による付加曲げモーメントを計算し
 応力解析時に節点力として作用します。



『入力手順』

①杭基礎の配置
 1)[部材]→[基礎]→[杭基礎]→[リスト]を選択し、配置する『杭』と『杭基礎』を登録します。
 2)[部材]→[基礎]→[杭基礎]→[杭の配置]または[杭基礎の配置]を選択し『杭基礎』を配置します。


②入力方法と入力

 入力方法の指定
  1)[プロジェクト]→[基本データ]→[プロジェクト概要]→タブ:建物概要より
  2)基礎構造形式:杭基礎 をチェックし、[基礎入力制御]ボタンを選択します。
  3)杭計算結果応力(Mo、Qo)の入力方法から
   「杭形状ごとに入力(初期値)」、「支点ごとに入力」から入力方法を指定します。


 「杭形状ごとに入力(初期値)」

  杭形状ごとに入力する方法
   1)[部材]→[基礎]→[杭基礎]→[リスト]→[場所打ち杭]または[鋼管杭]または[既製コンクリート杭] 内の
   2)[杭計算結果応力]タブ より、杭形状(名称)ごとに杭1本あたりの
    杭頭曲げモーメントMo、杭頭せん断力Qoを入力します。
    基礎毎に配置された杭本数分の杭応力に換算し
    基礎荷重として上部構造の応力計算時に考慮します。





 「支点ごとに入力」

 ①支点を選択して入力する方法
   1)[構造モデル]→[構造モデル]→[支点]→[杭計算結果応力]タブ より
   2)支点ごとに荷重ケース毎に1本あたりの杭頭曲げモーメントMo、杭頭せん断力Qoを直接指定し
    当該の支点に配置します。基礎毎の杭本数に応じた杭応力に換算し
    基礎荷重として上部構造の応力計算時に考慮します。




 ②一覧で支点ごとに入力する方法
   1)[構造モデル]→[構造モデル]→[支点]→[杭計算結果応力リスト]コマンド より
   2)一括入力リストから支点ごとに荷重ケース毎に1本あたりの
    杭頭曲げモーメントMo、杭頭せん断力Qoを指定し当該の支点に配置します。
    基礎毎の杭本数に応じた杭応力に換算し、基礎荷重として上部構造の応力計算時に考慮します。



【一括入力リストの利用方法】
  [杭計算結果応力リスト]は伏図上の支点をグリッドと見なして一括入力するリストです。
  グリッドシートの列ラベル、行ラベルは以下を示します。
 
   列ラベル:X方向軸名
   行ラベル:Y方向軸名
   セル:X方向軸名(列ラベル)とY方向軸名(行ラベル)の交点に位置する支点位置

  X方向軸名(列ラベル)とY方向軸名(行ラベル)の交点に位置するセルを支点と見なし
  当該支点に対する応力を入力してください。

【注意】
 ・X方向軸名、Y方向軸名は基準軸のみを対象とし、部分地下などの場合でも最下層投影と見なします。

 ・基準軸のみを対象としているため、任意軸交点など
  基準節点以外の支点に対しては「①支点を選択して入力する方法」で入力してください。

注意
①水平力による付加曲げモーメント計算時の『基礎ばり心から杭頭までの距離h』について
 配置された杭基礎、指定された杭の吞み込み長さ等から自動で求めます。
 任意の距離を指定することはできません。

 【操作】
  [部材]→[基礎]→[杭基礎]→[リスト]を選択し、各種杭の入力項目のタブ:形状より
  『呑み込み長さ』を指定できます。


②基礎下端レベルの個別指定について
 下記の操作をご利用ください。

 【操作】
  [部材]→[属性配置]→[レベル]より、下端レベル:杭基礎にチェックを入れます。
  下記から拾い方を選択し「下端レベル mm」を指定します。
  ・ 設定値(省略値):[プロジェクト]→[プロジェクト概要]→タブ:建物概要の「基礎下端レベル」の設定値
  ・ 地盤(GL-)~基礎下端
  ・ 基礎ばり下端~基礎下端


③杭基礎を設けずに基礎ばりの設計用に杭頭曲げモーメントを考慮したい場合
 該当の支点位置に『節点力』として入力してください。

 【操作】
  [材料・荷重]→[特殊荷重]→[節点力]より、リストに『節点力』を登録し該当の支点に配置してください。


④「施工後誤差」の指定について

 ・リボンメニューから[部材]→[基礎]→[杭基礎]→[杭の施工後誤差]より指定できますが
 「施工前誤差」を指定する場合は 『+基礎Ver1.1』のライセンスが必要となります。

 ・構造モデラ―シリーズVer1.2.4.6-2(2022年6月)以前は「施工誤差」については
  『節点力』での直接入力としていました。
   以前の入力データについて、最新版で「施工後誤差」を再入力される場合は
  二重配置とならないようご注意ください。


⑤優先して考慮する『杭計算結果応力』の直接入力値について
「杭形状ごとに入力」よりも「支点ごとに入力」で指定した『杭計算結果応力』の直接入力値を優先して考慮します。架構全体としては[杭形状リスト]シートでの杭計算結果応力の一括入力を原則と考え、はり抜け等の剛床と見なせない支点位置に対しては支点ダイアログで個別に入力することを想定しています。


詳細
入力データ書
 出力項目:I-1.1 プロジェクト概要 (基礎ばり心、基礎下端レベルを確認できます。)

 出力項目:I-8.2 支点
      ■杭応力 (入力値を確認できます。)

 出力項目:I-4.15 基礎
       I-4.15.2 杭基礎 (杭の吞み込み長さを確認できます。)

 出力項目:I-4.16.1 寄り寸法・レベル
       (10) 基礎下端レベル (個別の指定値を確認できます。)

構造計算書

 出力項目:4.8 その他の荷重
      (4) 節点力
      (6) 曲げ戻し荷重 (指定した[杭応力]を考慮した結果を出力します。)

 出力項目:§12 基礎・地盤
       12.1 基礎・くい (指定した[杭応力]を考慮した結果を各計算に用います。)

NOUT

 準備計算結果の内訳
  [ホーム]→[出力項目]→[準備計算]→[準備計算結果の内訳]を実行します。
 『§4 曲げ戻し荷重』 より

 出力項目:4.1 曲げ戻し荷重一覧
 出力項目:4.2 柱心と基礎心との偏心距離
     基礎水平付加曲げモーメント算出のための距離を
    『 基礎ばり心から杭頭までの距離h(mm) 』の欄で確認できます。
     ※杭基礎の場合に出力されます。

 応力図の参照方法
 [ホーム]→[出力項目]→[応力計算]→[応力図]より
 画面右上のプルダウンリストで図の表示を切り替え、該当の荷重ケースをご確認ください。


補足
【マニュアル】
構造モデラ―+NBUS7 Ver.3 計算編 マニュアル
 2023 年 10月 初版発行

 項目:2.1.2 建物形状の定義
  ■スパン長、階高レベルの定義
   図2.1.2-7 意匠階高と構造階高

 項目:2.1.1 座標系
  ■断面座標系 
   ●独立フーチング基礎・杭基礎

 項目:5.1.6 曲げ戻し荷重

 項目:5.1.10 特殊荷重
   ■特殊荷重の取り扱い(表5.1.10-1 特殊荷重の取り扱い)
     8)節点力(指定した[杭応力]も同様です。)

 項目:5.2.3 その他のモデル化
    5.2.3.1 杭頭曲げモーメントを考慮した上部構造のモデル化
    5.2.3.2 上部構造に作用する曲げモーメント


関連文書
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文書情報

製品カテゴリ: 構造モデラー+NBUS7/+基礎/+COST 最終更新日: 2023-10-31
バージョン: 構造モデラーシリーズ Ver.1.x,+NBUS7 Ver.3.x,+NBUS7 Ver.2.x,
文書番号: NBUS00056
分類: 操作・入力


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