引張ブレースの自動判定について
弊社で設けた仕様となります。
引張ブレースの自動判定の機能は丸鋼のX型配置を想定しλ≧1980/√Fとなる場合に引張ブレースと判定します。
他の断面でも材長の長くなるブレースについては圧縮側の耐力を過剰に持たせないよう自動判定としました。
各種規基準に判定方法の記載は確認できませんが、鉄骨造の構造細則、Ds算定時の筋かいの種別から、ある一定上の有効細長比は圧縮材として期待していないと読み取りλ≧1980/√Fを判定値として採用しています。
有効細長比λが下式となるときに引張のみ有効なブレースとして扱います。
【判定式】
λ≧1980/√F
λ:有効細長比(=lk/i)
lk:有効座屈長さ(mm)
i:断面二次半径(mm)
F:鋼材のF値(N/mm2)
個別指定により『自動判定(初期値)』『引張・圧縮』『引張のみ』のいずれも選択できるよう
指定を設けています。
BUS-6からの変更について
・BUS-6では「引張のみ考慮するブレース」と「圧縮・引張を考慮するブレース」とを分け
個々に構造モデルを考慮していました。
・NBUS7では構造モデルを共通とするため初期値として自動判定としました。
モデル化となりますので後述の『部材プロパティ:ブレース特性』の操作により
個別に『自動判定(初期値)』『引張・圧縮』『引張のみ』の何れかを指定できます。
【計算編マニュアル】
構造モデラ―+NBUS7 Ver.3 計算編 マニュアル
2023 年 10月 初版発行
項目:5.2.2.5 鉛直ブレースのモデル化(自動判定についての記載)
項目:5.2.2.6 水平ブレースのモデル化
項目:6.5.6.1 仕様規定に対する確認
項目:9.3.6.3 S造部材個材としての部材種別 □Sブレース
【出力】
構造計算書
項目:6.1.8.2 部材剛性表 (5) 鉛直ブレース剛性表 、(7) 水平ブレース剛性表より
下記を確認できます。
・部材毎に考慮したタイプ(「圧縮・引張」「引張」)
・判定に考慮したλ(細長比)
※初期値では出力を省略していますので出力指定が必要です。
有効細長比の詳細結果
計算過程のCSV出力より下記をご参照ください。
・S鉛直ブレース.CSV
・S水平ブレース.CSV
※CSV出力の参照方法については「NBUS00024:断面計算結果の詳細を確認できますか。」をご参照ください。