保有水平耐力計算の地下階を算定対象にしない場合の地下部分の重量、剛性等の扱いについて [文書番号 : BUS00855]

概要
地下階を算定対象にしない場合、地下部分の重量、剛性等の扱いについて教えて下さい。
質問
保有水平耐力基本条件で、地下階を算定対象にする場合としない場合の「基礎鉛直バネの復元力特性」に出力される長期軸力の数値が大きく違います。地下階を算定対象としない場合の軸力は地下階のみの数値となり浮上りも発生し、保有水平耐力計算の結果も大きく違ってきます。
地下階を算定対象にしない場合、地下部分の重量、剛性等の扱いについて教えて下さい。
回答
地下階数が1と設定され、保有水平耐力基本条件の最下階の算定対象を一つ上の階とした場合、
「U-3.3.1 部材の終局強度図(Ds算定時)」及び 「U-4.3.1 部材の終局強度図(保有耐力時)」計算結果出力項目の終局強度図の後に出力される 『基礎鉛直バネの復元力特性』の長期軸力:Nは、算定対象階で指定された階の一つ下の階の柱軸力が出力されます。

保有水平耐力基本条件の浮上りの考慮の設定を考慮する(チェックボックスオン)とされた場合、「算定対象階で指定された階の一つ下の階の柱軸力+入力された浮上り抵抗重量(浮上り抵抗力が入力されている場合はこちらの値が優先)」を超えた場合に浮上りと判定されます。
また、支点(鉛直・回転方向)の終局(鉛直)の圧縮耐力を自動とした場合は、「算定対象階で指定された階の一つ下の階の柱軸力」の3倍が圧縮耐力となります。 あくまでも「算定対象階で指定された階の一つ下の階の柱軸力」となります。

例)
・算定対象階をB1F(最下階)とした場合の柱軸力は、基礎計算用軸力
・算定対象階を1F(最下階の一つ上の階)とした場合の柱軸力は、B1F階軸力
 (正確にはB1F階の上半分の重量)

なお、算定対象階からはずされた部材の剛性は考慮しません。
地下階の柱が引張破壊、圧縮破壊、せん断破壊を起こしている可能性もありますので、可能であれば地下階についても算定対象階で指定し保有水平耐力計算を行いまして、圧縮耐力や浮上り抵抗力が適切であるかを判断してください。


補足
保有水平耐力基本条件の最下階の算定対象を一つ上の階とした場合の解析モデルの最下層の支点条件(支点位置)は、BUS-5Ver.1概要編マニュアルの「4.5.1.1 応力解析モデル」、「地下階の扱い」の「図4.120」に示すようになります。

また、 [許容応力度等]→ [保有計算-保有水平耐力計算条件]→ [計算条件]浮上り(鉛直バネ)の考慮 を考慮しない設定(チェックボックスオフ)とされた場合は、基礎鉛直バネの入力(基礎鉛直バネの復元力特性)は無視し支点ピン(鉛直方向固定)として解析を行います。
この場合、支点の圧縮破壊や浮上りの判定は行いませんので、計算結果出力の「終局時部材応力図」や「終局時支点反力図」を確認していただき、圧縮破壊や浮上りが生じる場合は、基礎にて処理する等、別途、設計者判断にて対応していただく必要があります。
関連文書
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BUS00723 基礎鉛直バネの復元力特性の自動設定値の根拠はなんですか。



文書情報

製品カテゴリ: BUS-6/5 / 基礎構造 / COST 最終更新日: 2010-03-31
バージョン: BUS-5[ver1.x],DOC-3次診断[Ver.3.x],
文書番号: BUS00855 バージョンの制限: BUS-5 Ver1.0.0.27(DB6.2.0.9)にて確認。
分類: 計算方法


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