図1 基礎伏図
図1のX2通りの基礎フーチングのように、X方向には基礎ばりが取り付いていて、Y方向には基礎ばりが取り付いていない場合の設定方法を以下に説明します。
- BUS-5の[支点(鉛直・回転方向)]で、X2-Y1、X2-Y2の支点のY方向の回転方向バネを固定(または半固定)とし、回転バネを作成します。
この回転バネが負担している応力(柱脚応力)は応力図で確認できます。
※回転バネが負担している応力(柱脚応力) = 部材から支点に加わる水平力成分の合計
- 1の設定により得られる柱脚応力を基礎構造計算(基礎フーチングの断面計算等)に用いるため、[基礎計算用応力の直接入力]の設定を行います。
[基礎計算用応力の直接入力]で「自動」と設定した場合、応力計算によって求められた柱脚応力を用いることができますので、X2-Y1、X2-Y2のQy、Mxを「自動」とします。
※[基礎計算用応力の直接入力]の入力は右手座標系で行います。図2のとおり、Y方向に作用する応力はQy、Mxです。
図2 右手座標系
ここで設定した基礎計算用応力は、基礎構造計算結果 §7.基礎計算用応力 で確認できます。
- [基礎計算条件]と[基礎ばりへの曲げ戻し負担率の個別指定]の省略値は曲げモーメントの処理を基礎ばり(上部構造)で負担する設定ですので、1、2の設定によるY方向の基礎計算用応力を基礎フーチングで負担するため、[基礎ばりへの曲げ戻し負担率の個別指定]でY方向の曲げモーメントの分配率を0(基礎フーチングで負担)と設定します。(図3)
※基礎ごと個別で曲げモーメントの処理の設定を行う場合には、[基礎ばりへの曲げ戻し負担率個別指定]で行います。
図3 [基礎ばりへの曲げ戻し負担率個別指定]の設定
- 1~3の設定により、Y方向の上部構造の柱脚応力はフーチングで負担し、その反力を杭の軸力(杭反力)で処理します。また、杭頭曲げモーメントも基礎フーチングで負担します。(図4)
基礎フーチングの断面計算に用いる設計用せん断力、設計用曲げモーメントは以下のとおりです。
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N:基礎計算用軸力
Q:柱脚せん断力
M:柱脚曲げモーメント
h:基礎ばり心から杭頭までの距離
R:杭反力
Z:基礎フーチング底版に平面保持が成り立つとして求めた基礎の断面係数
ΣMx=Mx+Qy・h
ΣMy=My+Qx・h
R=N/n+ΣM/Z
柱面からの片持ち応力
Qf:設計用せん断力
Mf:設計用曲げモーメント
e:柱面から杭心までの距離
Mo:杭頭曲げモーメント
Qf=Σ(ni×Ri)
Mf=Σ(Qf×ei+Mo)
※杭頭曲げモーメントMoを基礎フーチングにて負担とした場合は、杭頭曲げモーメントを直接、設計用曲げモーメントに加えています。
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図4 応力の処理
- 基礎フーチングで負担されなかった応力(曲げ戻し応力)は、基礎構造計算結果 12.5 基礎ばりで負担する応力一覧 で確認できます。
※X2-Y1、X2-Y2のY方向の応力は基礎フーチングで処理されるため、12.5 基礎ばりで負担する応力一覧 には出力されません。
上記曲げ戻し応力は[基礎計算共通条件]の上部構造曲げ戻し書き込み指定により[曲げ戻し節点荷重](または、[特殊節点荷重])に格納され、上部構造(基礎ばり)の計算に反映されます。