対応する以前とは計算方法が異なります。以前の計算方法を合わせて記載いたします。
DOC-RC/SRC Ver9.0.9.10 DB6.9.1.10 (公開:2019年4月)以前は対応していませんでした。
対応以前の計算方法
部材主軸が平面的に傾斜している場合、傾斜部材は基準XY軸方向へ水平になるように置換していました。
部材剛性は方向毎に計算しKx=K・cosθの二乗、Ky=K・sinθの二乗とし、距離は剛心位置から部材中心までのX方向、Y方向の座標距離としていました。ねじり剛性は下記のように計算していました。
KR=Kx・Y2+Ky・X2
ここで、
Kx:K’×cos2θ
Ky:K’×sin2θ
K':部材主軸方向の剛性
X:剛心から部材中心までのX座標距離
Y:剛心から部材中心までのY座標距離
下図のように長さは剛心位置から部材中心までのX方向、Y方向の座標距離としていました。
DOC-RC/SRC Ver9.0.9.11 DB6.9.1.11 (公開:2019年5月)以降より対応しました。
対応後の計算方法
建築防災協会発行の2017年基準及びQ&Aにに記載された正しい計算方法とするため計算方法を変更しました。
以前の計算方法へ戻す指定を設けていません。
部材が平面的に傾斜している場合、下記のように傾斜部のねじり剛性を計算します。
KR=Kx・L12+Ky・L22
ここで
L1、L2:部材軸に対して剛心から引いた垂線の長さ
θ:主軸の平面傾斜角
下図のように部材軸に対して剛心から引いた垂線の長さを考慮しています。
【鉛直部材について】
・耐震壁はフレームの平面傾斜角θと主軸方向の剛性を考慮します。
・傾斜フレームで、連続する耐震壁が中折れになっている場合
中折れの角度が 5゜以内の場合は、始端の柱から終端の柱を結ぶ直線上に耐震壁があるものとします。
中折れの角度が 5゜を超える場合は、スパン毎に別の壁として計算を行います。
部材耐力計算時の中柱の負担軸力は両側の耐震壁が等分に負担します。
・柱及びそで壁付柱は柱の主軸の回転角を考慮し、X方向・Y方向のそれぞれの主軸方向の剛性を考慮し計算します。
・フレーム外雑壁は指定した回転角θ、フレーム内雑壁はフレームの平面傾斜角θを考慮し計算します。
【注意】
耐力のグルーピング時は主軸回転角θ、フレームの傾斜角θが15°未満となる部材の傾きを考慮しません。
ねじり剛性計算時は部材の主軸回転角θ、フレームの傾斜角θがθ≦15°、θ≧75°となる部材も傾きを考慮します。