【計算仕様】
雑壁を含め、すべてのせん断終局強度計算に用いる引張鉄筋比ptの下限値を0.1%としています。
プログラムは耐震診断基準に『引張鉄筋比ptは下限値を0.1%とする』という明記がないことから、一時、引張鉄筋比ptの下限値を撤廃していました。
ですが、2001年版RC造耐震診断基準での建築防災協会のプログラム評価取得の際に、「下限値を設けるべき」との意見をいただき引張鉄筋比ptの下限値を0.1%としています。
2017年版RC造耐震診断基準を選択した場合も下限値を考慮しています。
ptの下限値を0.1%とした理由については下記が上げられています。
・ptの下限値は、元々、耐力式に組み込まれているもので実験等で決まっているものであること
・ptが小さくなりすぎると許容せん断力を下回ってしまう場合があること
【 出力仕様 】
メッセージは雑壁を含め、せん断終局強度計算時の引張鉄筋比ptが0.1%を下回る部材がある場合に出力されます。
ただし、柱と壁が連続する場合のせん断終局強度はQsu1、Qsu2、Qsu3、Qsu4で最大となったせん断終局強度を採用しますが、
pt下限値のメッセージ出力の対象とするのは、採用されたせん断終局強度(最大となったせん断終局強度)のptのみとしています。
【 該当部材の確認方法 】
該当部材について確認される場合は、2次耐震診断計算終了後
[耐震診断]→[CSV形式出力一覧]→[せん断終局強度Qsu一覧]よりご確認ください。
表計算プログラムでCSV形式ファイルを確認されている場合には、表計算プログラムの検索機能で『0.0』と検索すると0.1%未満のptをご確認いただけます。
例えば、柱と壁が連続する場合であればQsu1、Qsu2、Qsu3、Qsu4のうち最大となるQsuのptが0.1%未満となっていれば該当部材となります。