第2次診断法は梁の降伏、基礎の回転を想定していないため『回転壁』の破壊タイプが設けられていません。梁降伏形状を含むフレーム降伏型、壁の基礎回転を考慮して算出する場合は第3次診断法が該当するとしています。DOC-RC/SRCでは2次診断までを対象としているため回転壁の検討に対応していません。
一方で、『2次診断で回転壁(WR)の考慮をした集計を行いたい。』とのご要望も頂いています。
診断者判断での利用となりますが、下記3点を直接入力しますと診断計算に考慮します。
・破壊タイプ:MR(回転壁)
・回転時の壁の耐力(Qu)
・F値
【注意】
・破壊タイプで「回転壁」を指定された場合、グルーピング時に考慮する強度寄与係数は2009年SRC造診断基準11頁 表5 第3次診断用の強度寄与係数を参考とし『曲げ壁』の係数を用います。
・耐力(Qu)は直接入力値を優先し、破壊タイプによらずQu=min(Qmu,Qsu)とします。ご注意ください。
・部材の割線剛性計算時の耐力(Qu)、強度寄与係数(α)は上記の値を用います。
・基礎部の重量、引張・圧縮耐力はDOC-RC/SRCでは計算していません。別途計算してください。
【全体曲げ耐力、回転耐力の算定例】
『2017年版既存鉄筋コンクリート造建築物の耐震改修設計指針・同解説』127~129頁
補強壁架構の「全体曲げ耐力」と「回転耐力」を3次診断手法を用いて算定した参考例が記載されています。
『2017年改訂版 実務者のための耐震診断マニュアル』86~88頁
(4)基礎回転耐力の算定 に算定方法が記載されています。
【操作】
破壊タイプ・F値の直接入力
[耐震診断]→[部材指定]→[F値の直接入力]→〔壁・ブレース・増設壁〕タブ より
破壊タイプ・F値の直接入力の指定を行えます。
※連スパンの壁が、1つの壁にモデル化された場合の直接入力は、伏図上で左寄りまたは下寄りの壁に入力を行ってください。
壁耐力の直接入力
[耐震診断]→[部材耐力]→[壁耐力直接入力(2次診断)] より、直接入力値を指定し伏図又はフレーム図より配置してください。
【参考値の確認】
負担応力の参考値
[ウインドウ]→[応力図]より応力図が表示できます。
右クリックし、ショートカットメニューの中から「応力図の表示設定」により表示を切り替えます。
長期軸力(NL)は荷重ケース:鉛直荷重時(地震)を指定してください。
水平荷重時地震時変動軸力(Ne)は荷重ケース:地震時を指定してください。
重量の参考値
出力項目
9.4.5 節点重量(固定荷重+地震用積載荷重)(KN)
9.4.6 各層節点重量の内訳
[出力]→[出力指定]→タブ:1、2次診断→タブ:計算結果より、『9.4.6 各層節点重量の内訳』をチェックします。
境界梁・直交梁の耐力の参考値
[耐震診断]→[CSV形式ファイルの出力]→[はり、壁せん断力一覧(kozoQwb.csv)]より
はり、壁せん断力一覧が確認できます。
割線剛性の参考値
[耐震診断]→[CSV形式ファイルの出力]→[偏心率・剛性率一覧(goushin.csv)]より
該当部材の剛性をご覧ください。