2001年版について
『偏心が大きい場合』について、2001年版RC耐震診断基準・同解説151頁下から6行目「ℓ(偏心率)>0.15の場合には、l項のqi値を0.8として上で、さらにE0指標算定時の例外事項を適用する」と記載されています。これは、同基準72頁「3.2.1E0指標算定時の方針」「(5)例外事項」にしたがって別途検討して下さいという主旨です。
DOC-RC/SRCでは偏心率・剛重比の求め方を「診断基準」とした場合で偏心率が0.15を超える場合に「注:○○階の偏心率が大きすぎるので別途検討が必要!」と出力しています。
また、同基準93頁「(5)剛性が平面的に偏在する場合」上から18行目の解説で(5)「剛性が平面的に偏在する場合では、工学的判断により~例えば、基準法のFeの逆数を採用してもよい。」と記述されています。Feの逆数はすなわち、DOC-RC/SRCでは偏心率・剛重比の求め方を「精算法」で計算した結果となります。
同基準151頁下から7行目「ℓ(偏心率)>0.15はほぼe'>0.5に相当する(偏心比:e'=偏心距離/回転半径)」とあります。偏心比と精算法の偏心率は同じではありませんが、精算法とした場合で偏心率が0.15を超える場合にも注意としてメッセージを出力しています。工学的判断で検討する必要が無ければこのメッセージを無視してください。
2017年版について
『偏心が大きい場合』について、2017年版RC造耐震診断基準・同解説23~24頁「(3)偏心が著しい場合の例外事項」に「偏心に関するGlが下限値となる偏心率を超える著しい偏心である場合、すなわちA法で(30)式による偏心率Lが0.15を超える場合・・・下記(a)(b)の方法によってE0値を算定し、何れか小さいほうとする。この場合Glは0.8とする。・・・」とし例外事項の検討が必要とされています。DOC-RC/SRCでは偏心率・剛重比の計算方法を「2017年A法(割線)」とした場合で偏心率が0.15を超える場合に「注:○○階の偏心率が大きすぎるので別途検討が必要!」と出力しています。
また、B法については同基準24頁「(3)偏心が著しい場合の例外事項」では、例外事項の適用として「・・・B法(精算法)には原則適用しない。」と記載されています。C法については同基準200頁解説「(3)偏心が著しい場合の例外事項」下から3行目「C法を用いる場合は例外規定を適用しない。」と記載されています。
他方で、同基準196頁解説「(ⅲ)B法の適用性」には「A法と同様に(3)の例外事項を適用することが考えらえる・・・」の記載もあり、B法については建物の性状により例外事項の適用が付記されています。DOC-RC/SRCでは上記と2001年版の従前からの動作を考慮し、2017年版のRC造診断基準を選択し偏心率・剛重比の計算方法を「清算法(B法:弾性剛性)」とした偏心率が0.5を超える場合にもメッセージを出力しています。
【グラフィック出力】
偏心率:「10.5 形状指標」
【計算例】
2017年版既存鉄筋コンクリート造建築物の耐震診断基準 改修設計指針 適用の手引き
156頁~163頁 項目:付Ⅰ-5 形状指標(SD)の計算例