壁面日影図を計算したい [文書番号 : DRA00848]

概要
3次元編集機能の「時刻日影図」「等時間日影図」コマンドで、壁面日影を計算する方法の説明です。
解説
既に立っている近隣の建物に対して、計画中の建物が落とす影の影響を調べたい時があります。
そんな時は、近隣の建物を3次元データとして入力すれば、計画中の建物が近隣の建物に対して落とす時刻日影や等時間日影を計算することができます。


下の建物を例に操作を説明します。


建物と日影規制測定線の作成方法は、DRA-CADセットアップ時にインストールされるPDFファイルの「ユーザーズマニュアル」または「チュートリアルマニュアル」をご参照ください。
DRA-CAD8までは「ユーザーズマニュアル」、DRA-CAD9からは「チュートリアルマニュアル」に作成方法が記載されています。
PDFのマニュアルは、通常DRA-CADインストールフォルダにあるPDFフォルダ内にインストールされています。
(DRA-CAD10であれば C:\Program Files\DRA-CAD10\PDF フォルダになります。)

操作
(手順1)日影の受影面となる「壁」を入力します。

  1. 他の図形を作図していないレイヤ番号を設定します。
    今回の例ではレイヤ180番を使用します。

  2. 3次元編集モードに切り替え、「柱」コマンドを実行します。
    リボンメニューでは[作図]--「柱」コマンドを実行します。
    プルダウンメニューでは[作成]--「柱」コマンドを実行します。

  3. ダイアログの「高さ」を17000に設定してOKボタンをクリックします。

  4. 北側の12m道路反対側に、[任意点]スナップで適当な位置を2点クリックし、建物を入力します。
    アイソメ表示で、日影規制測定線が操作の邪魔になるようなら、測定線のレイヤを非表示にしたり、表示を上空図に切り替えたりして、入力しやすい状態にしてください。


(手順2)壁面時刻日影を計算します。

  1. リボンメニューの[法規]--「時刻日影図」コマンドを実行します。
    プルダウンメニューでは[建築]--「時刻日影図」コマンドを実行します。
    (DRA-CAD8以前のバージョンでは「補助」メニューに入っている場合があるので探して下さい。)

  2. ダイアログを設定します。
    今回は、レイヤ番号180番に入力した柱を隣地の建物として、その壁に落ちる時刻日影を計算します。
    ダイアログの【測定面】欄で『指定レイヤの面』を選択し、レイヤ番号を180に設定します。
    (下図のダイアログ画像を参照)

    (各項目の詳細については、リファレンスマニュアルをご覧ください。)



  3. OKボタンをクリックすると計算が開始されます。
    計算実行後、建物の壁に時刻日影線が作図されます。

(手順3)壁面時刻日影を2次元データに編集します。

日影線は3次元ポリラインで作図され、日影線のそばに時刻を示す文字が記入されています。
そのままでは文字が重なっていて見にくいため、移動などの編集が必要です。
今回の例では時刻別に日影線と文字の色を変更後、2次元データに変換して編集します。

  1. 「属性変更」コマンドを実行し、ダイアログの[カラー]のチェックをONにして、変更する色を設定します。

  2. 選択モードを[グループ選択]に設定します。

    DRA-CADの線の属性には、レイヤや色、線種、線幅の他に「グループ」という種類があります。
    レイヤのように表示/非表示はできませんが、図形ごとにグループ番号を設定し、同一グループ番号の図形をまとめて選択する事ができます。
    時刻日影線と文字は同じレイヤに作図されていますが、各時刻の文字と日影線は同じグループ番号で作図されています。

    時刻日影線をクリックすると、選択した線と一緒に時刻の文字の色が変わります。

  3. 右クリックしてダイアログを出し、色を変更してOKボタンをクリックし、時刻日影線と文字の色を変更する作業を繰り返します。
    すべての時刻日影の色変更が終わったら、「属性変更」コマンドを終了し、選択モードを[標準選択]に戻します。

  4. 壁面が正面に来る位置に表示を切り替えます。
    今回は壁面が南に向いていて、南側の壁面日影を計算したので「南立面図」を実行します。

  5. 壁面と壁面日影図を2次元データに変換するため、「2次元投影図」コマンドを実行します。
    リボンメニューでは[ホーム]--「2次元投影図」コマンドを実行します。
    プルダウンメニューでは[表示]--「2次元投影図」コマンドを実行します。
    (DRA-CAD8以前のバージョンでは「ウィンドウ」メニューに入っている場合があるので探して下さい。)

  6. 新規ウィンドウが開き、3次元データが2次元データに変換されて新規ウィンドウ内に作図されます。

  7. 建物と壁面が入力されているウィンドウを選択し、2次元編集モードに変更します。
    (下の左図参照)

  8. 「複写」または「移動」コマンドを実行し、時刻の文字を新規ウィンドウ内の壁面等時間線のそばに配置します。
    (下の右図参照)




この手順では「時刻日影図」コマンドの操作のみを説明しましたが、同じ測定面の指定方法で「等時間日影図」コマンドでも壁面等時間線を計算する事ができます。

関連文書
DRA00527 測定面高さを変えて日影計算できますか?



文書情報

製品カテゴリ: DRA-CAD 最終更新日: 2012-11-16
バージョン: DRA-CAD10,DRA-CAD9,DRA-CAD8,DRA-CAD7,DRA-CAD6,DRA-CAD5,
文書番号: DRA00848 バージョンの制限: DRA-CAD4以降
分類:


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