不釣合力により解析ができない [文書番号 : SNAP00104]

概要
「F4020:解析中止!! 不釣合力が大きすぎます、増分を細かくしてください」のエラーにより解析できない場合の対処方法について解説します。
解説
「F4020:解析中止!! 不釣合力が大きすぎます、増分を細かくしてください」のエラーにより、
解析ができない場合の対処方法については以下の方法が考えられます。

■荷重の増分を小さくする
初期解析時、増分解析時、応答解析時の荷重の増分を小さくする方法はそれぞれ以下の通りです。

 ・初期解析
  増分解析、応答解析共通で、[解析ケース]の「初期解析-分割数」を大きな値とする。

 ・増分解析
  [増分解析]→[載荷条件]で「増分」を小さい値とした載荷条件を作成し、
  [増分解析]→[解析ケース]の「載荷方法」を「1:載荷条件」として「載荷条件」に
  作成した載荷条件の名称を入力する。

 ・応答解析
  [応答解析]→[解析ケース]の「刻み分割数」を大きな値とする。

また、増分解析、応答解析ともに、「再計算」を「1:する」もしくは「3:不釣合時」に設定することで、
大きな不釣合力が生じたステップに自動で分割数を細かくして計算することができます。
(再計算については、テクニカルマニュアルの「■ 4.4.3 再計算」をご参照ください。)


■急激な剛性変化が生じないようにする
ひび割れ後剛性低下率(α)、 降伏後剛性低下率(β)など剛性変化に影響するパラメータを変更し、
急激な剛性変化が生じないようにモデル化を行ってください。
復元力特性により剛性変化に影響するパラメータは異なるので詳しくは
テクニカルマニュアル 第5章 復元力特性をご参照ください。

自動生成される復元力特性を変更する場合は、[モデル化]→[弾塑性モデルの生成条件]の
「単軸バネモデル1」タブ、「MS/Fiberモデル」タブで変更することができます。
[弾塑性モデルの生成条件]については、ヘルプの目次から、
 リファレンス → モデル化 → 弾塑性モデルの生成条件
をご参照ください。

直接復元力特性を変更する場合は、[架構]→[部材]→[はり]などで「復元力特性-自動生成」を
「0:しない」とし、[弾塑性モデル]→[単軸バネモデル]→[はり]などで値を変更してください。


■質量を大きくする
不釣合力で解析が中断される要因としては以下の2ケースがあります。
 ・材端のMS/Fiber要素の軸不釣合力が軸耐力の20分の1を超えた場合(W4021が出力されます)
 ・自重の1/2倍を超える不釣合力が生じた場合

モデルの自重が小さい場合、小さな不釣合力でも自重の1/2倍を超えてしまい解析が中断されてしまうので、
固定となっている節点など、解析に影響ない節点の付加質量に大きな値を入力することで、
エラーを回避できる場合があります。


■不安定構造を解消する
不安定構造となっていると上記の対処方法ではエラーを回避できない場合があります。
不安定構造となっている箇所は「W4027:不安定構造となっている自由度があります」のメッセージが
出力されていますので、該当箇所の節点についてモデル化の確認を行ってください。
(警告のメッセージをダブルクリックすると該当の節点にジャンプできます。)

関連文書
SNAP00002 非線形解析における不釣合い力について



文書情報

製品カテゴリ: SNAP/SNAP-MD 最終更新日: 2023-06-05
バージョン: SNAP[Ver.8x],
文書番号: SNAP00104
分類: 操作・入力


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