破壊モード図(S造)の概要と出力例 [文書番号 : DOCS00012]

概要
破壊モード図(S造)ウィンドウでの破壊モード図(S造)の出力内容と出力例をご紹介します。
操作
S造耐震診断計算終了後にメニューから[ウィンドウ]→ [耐震診断] →[破壊モード図(S造)の表示]を選択すると、破壊モード図(S造)の作業ウィンドウを表示します。

補足
表示内容の変更方法はオンラインヘルプを参照して下さい。オンラインヘルプは作業ウィンドウ内でF1キーを選択すると参照できます。

解説
破壊モード図(S造)では以下の数値を出力します。
 ・メカニズム時応力(=終局時部材応力図(長期考慮危険断面位置応力) )
 ・崩壊ヒンジ
 ・部材の靭性指標
 ・RC、SRC部材の個材の破壊タイプ
  (例:CB,CS,WB,WS,WR ただし、はりの耐力やF値による補正は行いません。)

この出力では以下の点について確認できます。
 ・建物や節点の崩壊要因となるヒンジ発生位置(柱・はり・パネルのいずれか)
 ・ヒンジの決定要因(母材耐力・接合部耐力・直接入力のいずれか)
   終局時応力が接合部による部材耐力に達した場合、応力値に”E”の添え字を追加します。
   また、直接入力された終局強度に達した場合は”#”の添え字を追加します。
   これにより容易に決定要因が確認できます。
 ・ヒンジと靭性指標との整合性(接合部耐力で決まった場合に靭性指標が1.0等)

出力例1 ラーメン架構と埋込柱脚(S造診断指針)

 ポイント
 ・2F層、3F層の節点では、はり部材で崩壊が生じています。また曲げ応力に"E"の添え字があるので
  接合部耐力による曲げヒンジとなり、靭性指標が1.0が採用されていることが確認できます。
 ・柱を代表する靭性指標(C.NF)は、はりの接合部耐力による曲げヒンジ・靭性指標により、
  最小値となる1.0が採用されています。

出力例2 露出柱脚付きブレース架構(S造診断指針)

 ポイント
 ・2F階のブレースの軸力に"E"の添え字があるので、接合部耐力による引張崩壊となります。これに伴い
  靭性指標が1.0が採用されています。
 ・1F階のブレースでは引張耐力に達する前に露出柱脚のせん断破壊が先行したことを確認できます。
  また、ブレースの靭性指標に1.0が採用していることから非保有耐力接合であることが確認できます。
 ・2F層、3F層のはりはピン接合のため、曲げ応力の出力は省略しています。
 ・柱を代表する靭性指標(C.NF)は、2F層のはりがピン接合のため節点として形成されていません。そのため、
  2F層の節点靭性指標は1F層の節点靭性指標1.0とRF層の節点靭性指標4.0より高さによる重み付き平均値を
  用います。
  計算式 (1.0x347.5+4.0x392.5)/(347.5+392.5)=2.59
  この方法は柱とはり部材が剛接合となっていない場合に計算方法が不明のため、重み付き平均としています。
  実情と異なる場合は節点の靭性指標の直接入力を行ってください。
  次に、2F階柱を代表する靭性指標はmin(2層の節点靭性指標、RF層の節点靭性指標)=min(2.59、4.00)として2.59が
  採用されています。最終的に補正された数値が採用されていますので、添え字”※”を付加しています。

出力例3 屋内運動場(RS1aタイプ)の張間方向(屋体基準)

 ポイント
 ・1F階柱はSRC部材のため、2009年版SRC診断基準に従って破壊タイプまで計算します。
 ・2F階柱は非せん断破壊の柱のため、柱を代表する靭性指標は出力を省略します。

注意
・Quの集計やS造診断指針での階の靭性指標計算時に用いるせん断力は長期土圧によるせん断力成分を取り除くために
 終局時部材応力(水平荷重時節点位置)より算出します。各部材のせん断力は計算書「U-4.2ランク別負担せん断力」、
 「D-1.1.1 保有水平耐力(Qu)」を確認してください。
・準拠基準がS造診断指針の場合、柱を代表する靭性指標の確認では節点の靭性指標が必要のため計算書「D-1.2.1 靭性
 指標図」を確認してください。
補足
1.この機能はDB6.7.0.2(2015年12月上旬公開)より対応しました。



文書情報

製品カテゴリ: DOC-S 最終更新日: 2016-11-11
バージョン: DOC-S[ver.2.x],
文書番号: DOCS00012
分類: 出力


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