限界層間角と最終ステージ層間変形があわない [文書番号 : BUS00745]

概要
層間変形角の計算方法の相違がございます。
質問
立体解析で[保有水平耐力][計算条件][増分解析の制御条件]UP1レコード)の
「荷重増分分割数N」をいくら大きくしても
[許容応力度等][保有計算-保有耐力計算条件][計算条件](UCC,UCOレコード)の
「計算条件タブ」で入力した限界層間角と
計算結果の「U-5.6.3 最終ステージの重心位置の変位」で出力される
「変形角」が合わないのですが、何が原因でしょうか。
回答
原因として下記のことが考えられます。
・増分荷重が大きい、あるいは、部材の降伏後剛性低下倍率が小さい
  増分荷重が大きい、あるいは、部材の降伏後剛性低下倍率が小さすぎるため
  最終ステージの変位増分が大きく、限界層間変形角を超えてしまう場合があります。
  これについては、荷重増分分割数や部材の降伏後剛性低下倍率を大きく
  することにより、改善する場合があります。
  支点の浮き上がりによる転倒の場合は、支点の降伏後剛性低下倍率を大きくする必要が
  あります。
  ただし、当然のことながら、部材の降伏後剛性低下倍率を大きくすることは、
  降伏後の耐力上昇が大きくなります。

・解析エンジンと出力の層間変形角計算法の相違
  増分解析を終了する最終ステージの層間変形角は、
  立体解析の解析エンジン(CANNY)がSNAPv3と同じ方法で計算して、
  限界層間変形角に達したことを判断しています(下記資料参照)。
  SnapV3層間変形角.TIF

  一方、計算結果の「U-5.6.3 最終ステージの重心位置の変位」の「変形角」は、
  上下の剛床の重心位置(U-3.1.1 質量重心位置)の変位差から計算しています。

・剛床に属さない節点に接続する部材の層間変形角
    解析エンジンは、独立水平変位が指定され剛床に属さない節点に接続する部材に対しても
  層間変形角を確認しています。
  これらの部材が限界層間変形角に達した場合も、解析を終了しますが、
  「U-5.6.3 最終ステージの重心位置の変位」では剛床部分の結果のみを出力しています。
補足
増分解析を終了する最終ステージの層間変形角の計算方法も
解析エンジンの更新とともに変更されます。
次回(時期未定)の解析エンジンの更新では、SNAPv4のエンジンを採用しますので、
層間変形角の計算方法もSNAPv4の方法となります。



文書情報

製品カテゴリ: BUS-6/5 / 基礎構造 / COST 最終更新日: 2012-03-23
バージョン: BUS-5[ver1.x],
文書番号: BUS00745
分類: 計算方法


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