・支点(拘束された節点)について
FAP-3では、拘束が設定されている節点を支点と呼びます。
実際には【節点】の入力項目の拘束1か2に【拘束】で入力したデータの拘束名を記入します。
すると【拘束】で指定されている方向の変位が制限される為、その方向に反力が生じます。
つまり、作用した力によって発生した応力を受ける事ができるわけです。
こうした節点を「作用する力を支える点」である事から支点と呼びます。
【拘束】で変位を制限する事が出来る方向は解析モデルの構造形式で決まっています。
これを構造形式の自由度といいます。
自由度は変位だけでなく部材の配置、力、応力等、構造解析に関わる全てを規定します。
平面フレーム
平面フレームの場合、部材の配置、力、応力、変位は全て平面内に収まります。
平面フレームの平面は普通、XZ平面ですから、(平面フレームは普通、軸組み図を表し、軸組み図は垂直面を表します。)
自由度はX:X軸方向、Z:Z軸方向、R:回転の3つになります。
次の図は平面フレームにおける代表的な支点の拘束の記号的表現と、それに対応した立体模型的な表現です。
それぞれの拘束の状態をFAP-3の[節点]グリッドシートで表現すると次の様になります。
立体フレーム
立体フレームの場合、X軸、Y軸、Z軸のそれぞれに軸方向と軸回りの自由度がありますから、
自由度はX:X軸方向、Y:Y軸方向、Z:Z軸方向、RX:X軸回り、RY:Y軸回り、RZ:Z軸回りの6つになります。
次の図は立体フレームと平面フレームの関係を示した図です。
平面フレームの回転は立体フレームではRY:Y軸回りに当たります。
これから解ります様に、立体フレームでは、[拘束]グリッドシートの種類が非常に増える事になります。
例えばピン支持を考えます。
平面フレームではピン(回転方向の拘束が無い)の支点は1種類(Y軸回りが自由)しかありませんが、
立体フレームでは、X軸回り、Y軸回り、Z軸回りとその組み合わせで下図の7種類があることになります。
それぞれの拘束の状態をFAP-3の[拘束]グリッドシートで表現すると次の様になります。
同じピン支持でも実際の建物の支点の状態を考慮して、適切な拘束を設定する必要があります。
考え得る拘束の状態の種類の総数は、各自由度が、固定、自由、半固定(剛性を数値で指定)の3つの状態を取りますから、
平面フレームの場合、33=27通り
立体フレームの場合、36=729通り
になります。(勿論、全て使い道があるかどうかは分かりませんが‥。)