横置きのH形鋼を例とします。
弾性曲げ座屈耐力(Ne)計算時の 「 I 」 は 『強軸回りの断面二次モーメント』とあります。
弾性曲げ座屈耐力計算時、強軸はy軸を取り強軸回りとして『 Iy 』を用います。
横座屈の計算時は弱軸方向を考慮しますが、弾性曲げ座屈耐力計算時は強軸回りのみを検討します。
2011年版S指針p166~p167 の柱の曲げ耐力の例題では
回転軸ごとに弾性曲げ座屈耐力( Nex、Ney)の最小値を採用しております。
他方で
2011年版S指針p166の計算例の冒頭に
『「鋼構造限界状態設計指針・同解説」を参考にして、柱の曲げ耐力を求める。』とあります。
鋼構造限界状態設計指針・同解説のP181の10行目では
C)曲げ面外限界状態(曲げ面外のλcを求める式)で、Neは『曲げ面内の弾性曲げ座屈耐力』とあり
面外の曲げ座屈に対しての強軸回りの断面2次モーメントを考慮していると解釈できます。
そのため、プログラムは2011年版S指針の計算例の方法では耐力の過小評価となるとし
曲げ座屈に対し弱軸回りとなる断面2次モーメントを用いずに、強軸回りとなる断面2次モーメントを用いています。
屋体基準の改定版 p28 の『I:強軸回りの断面二次モーメント』も鋼構造限界状態設計指針と同様と考えています。
横置きのH形鋼であれば曲げ座屈に対して強軸回りとなる『 I y 』を用います。