H形鋼部材の圧縮軸軸力下で強軸曲げを受ける場合の弾性曲げ座屈圧縮耐力(Nc)の計算に用いる断面二次モーメントについて [文書番号 : DOCS00017]

概要
弾性曲げ座屈圧縮耐力(Nc)計算時に弾性曲げ座屈耐力(Ne)を計算します。 弾性曲げ座屈耐力(Ne)計算時の断面二次モーメントについては 曲げ座屈に対しての強軸回りの断面二次モーメント用います。
プログラムの仕様と参考文献を回答します。
回答
横置きのH形鋼を例とします。
弾性曲げ座屈耐力(Ne)計算時の 「 I 」 は 『強軸回りの断面二次モーメント』とあります。
弾性曲げ座屈耐力計算時、強軸はy軸を取り強軸回りとして『 Iy 』を用います。
横座屈の計算時は弱軸方向を考慮しますが、弾性曲げ座屈耐力計算時は強軸回りのみを検討します。



2011年版S指針p166~p167 の柱の曲げ耐力の例題では
回転軸ごとに弾性曲げ座屈耐力( Nex、Ney)の最小値を採用しております。

他方で
2011年版S指針p166の計算例の冒頭に
『「鋼構造限界状態設計指針・同解説」を参考にして、柱の曲げ耐力を求める。』とあります。
鋼構造限界状態設計指針・同解説のP181の10行目では
C)曲げ面外限界状態(曲げ面外のλcを求める式)で、Neは『曲げ面内の弾性曲げ座屈耐力』とあり
面外の曲げ座屈に対しての強軸回りの断面2次モーメントを考慮していると解釈できます。

そのため、プログラムは2011年版S指針の計算例の方法では耐力の過小評価となるとし
曲げ座屈に対し弱軸回りとなる断面2次モーメントを用いずに、強軸回りとなる断面2次モーメントを用いています。 屋体基準の改定版 p28 の『I:強軸回りの断面二次モーメント』も鋼構造限界状態設計指針と同様と考えています。

横置きのH形鋼であれば曲げ座屈に対して強軸回りとなる『 I y 』を用います。
参考
【参考】
2011年版S指針:2011 年改訂版耐震改修促進法のための既存鉄骨造建築物の耐震診断および耐震改修指針・同 解説 初版 第2刷 p166~p167
屋体基準の改定版:「屋内運動場等の耐震性能診断基準(平成 18 年度) 第2刷 p28
限界状態指針:鋼構造限界状態設計指針・同解説 第3版 第1刷P181



文書情報

製品カテゴリ: DOC-S 最終更新日: 2018-10-25
バージョン: DOC-S[ver.3.x],
文書番号: DOCS00017
分類: 計算


kozoStation オンライン販売 ソフトウェアのご購入は、オンライン販売からご購入ができます。オンライン販売では、10%OFFでご購入ができます。