鉄骨ばりの保有耐力接合を検討するための入力と、計算結果詳細の確認方法について [文書番号 : BUS00960]
概要
保有耐力接合を検討するための入力項目の説明と、出力の計算結果では確認できない諸数値を確認する「個別詳細出力」を行う操作について説明します。
操作
保有耐力接合を計算させるには、接合部の情報を登録し、Sはり符号への設定が必要になります。
1.接合部の情報を登録
[基本データ入力]→[接合部]→[はり接合部名称]の「はり端部」タブで端部の溶接・接合情報を登録し、
「はり継手部」タブで継手の情報を登録。
2.Sはりへの設定
[基本データ入力]→[はり]→[Sはり符号の入力]で一番右にある「接合部」欄に、上記1で登録した名称を設定。
以上の設定を行うと計算結果出力で「A-4.6.1 S造はりの保有耐力接合」が出力されます。 詳細
保有耐力接合の検討は、端部は「鋼構造接合部指針(2012年版)」のP141に記載の梁ウェブ接合部の
「無次元化曲げ耐力(m)」を考慮した「(4)最大曲げ耐力」の検討を行います。また継手部は、SCSSに準拠した継手の検討を行います。
出力では下記の様に、代表値のみしか出力していませんが、詳細結果出力も用意しています。
【詳細出力】を確認されたい場合は、[計算]→[保有耐力接合]→[Sはり保有耐力接合の選択計算]で、
計算させたい1部材を選択すると、計算内容の詳細が確認できます。
補足
BUSで保有耐力接合の端部接合部の検討は、概要編マニュアルのP5-158(DB70**のヘルプから参照)に記載の計算方法で検討します。
これは、「鋼構造接合部指針(2012年版)」のP141に記載の梁ウェブ接合部の無次元化曲げ耐力mを考慮した"(4)最大曲げ耐力"の検討になります。
また、[許容応力度等]→[共通計算条件]→[使用基準・計算ルート・柱はり接合部・冷間成形角形鋼管]の「使用基準」で「保有耐力接合接合部安全係数α」が設定いただけ、自動の場合は厳しい安全率である接合部設計指針の倍率が使用されますが、技術基準解説書の安全率で良いと判断された場合は、「技術基準解説書」にチェックしてお試し下さい。
下記の計算式と合わせて、ご確認下さい。
(単位は、詳細出力の単位を記述しています)
●フランジ
fFu:フランジ引張強度(N/mm2)
fZpe:フランジ有効塑性断面係数(cm3)
mAe:fMu=fFu* fZpe
●ウエブ
m:無次元化曲げ耐力「m」
m=min〈 1 , 4tcf/dj{√(bj×Fcy÷tbw÷Fwy)} 〉
tcf:角形鋼管柱厚(mm)
dj:はりせいから通しプレート厚(フランジ厚)を引いた値(mm)
bj:角形鋼管柱せいから柱厚を引いた値(mm)
Fcy:柱鋼材降伏点強度(N/mm2)
Fwy:ウエブ鋼材降伏点強度(N/mm2)
wFy:ウエブ鋼材降伏点強度(N/mm2)
wZpe:ウエブ有効塑性断面係数(cm3)
mAe:wMu=m×wFy×wZpe