壁柱の短期荷重時せん断応力度に対するメッセージについて [文書番号 : WALL00026]

概要
壁柱の断面計算で検定比は満足しているが「W6028[断面計算] (壁柱の短期荷重時せん断応力度がコンクリートの短期許容せん断応力 度を超えている。」のメッセージが出力される理由について。
解説
日本建築学会「壁式構造関係設計規準集・同解説(壁式鉄筋コンクリート造編)計算規準2003 年版」(以下、「WRC計算規準」と表記)の7条 耐力壁の「7.2 せん断力に対する設計」の2に(15)式を満たすことを確認するとの記載に準拠した検定を行っており、満足しない場合にメッセージを出力しております。

(15)式:τ≦fs

τ=Qs/(r・t・j)
Qs :短期荷重時の耐力壁のせん断力
r :小開口に対する低減率
t :耐力壁の厚さ
j :耐力壁の応力中心間距離
fs :コンクリートの短期許容せん断応力度
(fsは「I-2.3.1 使用コンクリート」で確認頂けます)

WRC計算規準のP181の解説より、短期荷重時のせん断ひび割れを生じないようにするための検討ですので、確認する必要があると思いますが、設計者として、多数の耐震壁の極一部の壁に、ひび割れが発生しても、建物としては許容できる範囲とする判断も有るため、Wメッセージ扱いとし、問題無いかの確認・判断を行って頂いております。

日本建築センター「壁式鉄筋コンクリート造設計施工指針平成15 年2月」のP.143の「設計例2 壁式鉄筋コンクリート造4階建共同住宅」でせん断応力度がコンクリートの短期許容せん断応力度を上回っている場合に、短期許容せん断力以下であることを確認する記述になっていますので、許容せん断応力度を必ず満足させるか否かは設計者の判断になります。



文書情報

製品カテゴリ: WALL シリーズ 最終更新日: 2018-06-08
バージョン: WALL-1[Ver.1x],
文書番号: WALL00026
分類: 計算結果


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