基礎構造計算結果のメッセージ一覧に「W-K123:位置[□フレーム-□軸] 基礎□の接地圧算定において引張りが生じたため、有効断面を補正しました。有効面積内における図心の移動を偏心量と見なし計算を継続しました。」と出力されました。
このメッセージが出力された場合の接地圧算定はどのように行われているのでしょうか?
警告メッセージ「W-K123:接地圧算定において引張りが生じたため、有効断面を補正しました。有効面積内における図心の移動を偏心量と見なし計算を継続しました。」について [文書番号 : BUS00866] 概要
警告メッセージ「W-K123:位置[□フレーム-□軸] 基礎□の接地圧算定において引張りが生じたため、有効断面を補正しました。有効面積内における図心の移動を偏心量と見なし計算を継続しました。」について 質問 基礎構造計算結果のメッセージ一覧に「W-K123:位置[□フレーム-□軸] 基礎□の接地圧算定において引張りが生じたため、有効断面を補正しました。有効面積内における図心の移動を偏心量と見なし計算を継続しました。」と出力されました。
このメッセージが出力された場合の接地圧算定はどのように行われているのでしょうか? 回答
以下の条件に該当する直接基礎に対しては、学会式により理論解を求めるのが困難であるためフーチング底面を分割離散化して接地圧を求めます。
※離散化による接地圧計算に関しましては、BUS-基礎構造Ver.3.1概要・テキスト入力編PDFマニュアルP.80,81をご参照ください。
フーチング底に軸力N、基礎重量WfのほかにモーメントMが作用する場合、フーチング底面における接地圧は図1のようになります。図1(b)では、Mによる応力σ2がNによるσ1より大きくなり、σ1-σ2が負となる部分、すなわち地盤の一部に引張力が働くことになります。このような場合、地盤は引張力に対してほとんど抵抗できないため、その接地圧分布は図1(b)の破線で示す分布に移動します。その結果、σmaxの値はσ1+σ2の値より大きくなり、この値が許容支持力より小さくなることを確認する必要があります。 図1 軸力N、基礎重量Wf、モーメントMが作用した場合の接地圧
上記σmax を求めるため、当プログラムでは、基礎重量を考慮した最小接地圧min(σi)<0となる部分については直接基礎として有効に働かない部位と考え、min(σi)<0となる部分を除外した面積で再度、接地圧を求めます。この繰り返しにより、基礎重量を考慮した状態での接地圧min(σi)<0が生じない有効な面積に対する結果を有効な最大接地圧σmaxとして採用しています(図2)。 図2 有効面積の補正
min(σi)<0となる部分を除外、すなわち基礎底の有効面積の補正を行うことにより、面積補正前の基礎底の図心と面積補正後の基礎図心との間にズレ(g-g')が生じます(図2)。基礎重量Wfは常に基礎の図心に作用するものと仮定した場合、基礎重量Wfの作用点が(g-g')だけ偏心し、Wf×(g-g')の曲げモーメントが基礎底に作用することになります。 それらを考慮し、以下のような式に基づいて接地圧を求めます。
※1:「基礎計算用応力の直接入力」により、曲げモーメントが入力されている場合に生じる項です。
※2:「柱の寄り寸法」または「基礎の寄り寸法」の入力などにより、軸力作用点(柱心)と基礎心との間に距離が生じ、「基礎計算条件」の「偏心曲げモーメントの処理」の指定により、偏心曲げモーメントを基礎フーチングで負担する場合に生じる項です。 ※3:「基礎計算条件」の「付加曲げモーメントの処理」の指定により、支点位置のせん断力に支点から基礎底までの距離を乗じた曲げモーメントを基礎フーチングで負担するとした場合に生じる項です。 参考
岸田 英明・大杉 文哉・風間 了・井上 嘉信 著「新建築学大系 43 基礎構造の設計」第1版 第3刷 1993年, 彰国社 文書情報
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