保有耐力横補剛の計算方法について [文書番号 : BUS00863]
概要
保有耐力横補剛の計算は、均等配置の場合と端部を補剛する方法の2種類について検討を行っている。
上記2種類の計算方法について説明します。
解説
【はりの横補剛による変形能力の確認】
①、②の計算を行い、どちらか一方を満足すれば、判定では「OK」となります。
横補剛として有効な設定は下記の2種類になります。
2種類ともに入力された場合は、加算になります。
●横補剛材:鉄骨小ばり(横補剛有効指定を”有効”) ●はり横つなぎ材
①:はり全長にわたって均等間隔で横補剛を設ける場合
λy ≦λ=170 + 20n(400ニュートン級炭素鋼のはりの場合)
λy ≦λ=130 + 20n(490ニュートン級炭素鋼のはりの場合)
λy =L/iy
②:主としてはり端部に近い部分に横補剛を設ける場合
lbmax = min( 250・(Af/h) , 65・iy )(400ニュートン級炭素鋼のはりの場合)
lbmax = min( 200・(Af/h) , 50・iy )(490ニュートン級炭素鋼のはりの場合)
・計算結果の出力項目は計算ルート指定により下記
○ルート1-2・ルート2の場合
「A-4.5.1 Sはりの断面計算 (5)はりの横補剛による変形能力の確認」
○ルート3の場合
「U-5.3 はりの横補剛による変形能力の確保(保有耐力横補剛)」
・2007年版建築物の構造関係技術基準解説書P593~596の方法に準拠
詳細
「①:はり全長にわたって均等間隔で横補剛を設ける場合」について
◇仕様
・横補剛の間隔が均等でない場合の計算は、安全側の設計としてはり節点間距離を横補剛の
最大間隔で除算して切り捨てた本数を横補剛の箇所数:nとする。
・端部,中央で断面,種別が異なる場合の計算は、断面と材料種別による”λy/λ”にて左端、
中央、右端それぞれ行いそのうちの最大となる条件を表示。
「②:主としてはり端部に近い部分に横補剛を設ける場合」について
◇仕様
・両端共に全塑性モーメントに達しているという過程のもと計算を行っている。
・端部,中央で断面,種別が異なる場合の計算は、すべて端部の断面で行う。
・横補剛の確認に用いるMy,Mpは断面欠損を考慮しない数値とする。
(スカラップの断面欠損も考慮せず)
【AフレームもBフレームも同じ出力なのに、判定が異なる理由】
注意
「①はり全長にわたって均等間隔で横補剛を設ける場合」の判定で用いる有効横補数:n の算出は、はりスパンに対し、
最大補剛間隔で均等配置された時に何本配置出来るかで算出しているため、8mスパンに対し、1mの位置に1本、
補剛材がある場合でも「n=1」として検討されます。
よって、偏った位置に補剛材が有る場合は、別途検討を含め、設計者としての判断が必要になります。