保有水平耐力計算条件で各種入力項目の設定を解説します。
①終局時判定条件
「層間変形角または脆性破壊の発生(=デフォルト)」の場合、Sはり等の初めて破壊が発生した結果を用います。ただしその結果がメカニズム時の応力状態になっていないことがほとんどです。そのため「層間変形角」に変更することを推奨します。
②限界層間変形角
①の設定後、指定された層間変形角まで加力します。メカニズム時に達していない場合はこの値(=分母)を小さくしてください。
③終局時のCo時
現在の解析機能では各ステップごとのはりの曲げ座屈耐力のM1/M2や露出柱脚のせん断耐力に作用する軸力や曲げモーメントの考慮ができない状態です。そのため、この値を用いた短期応力状態を用いてはりの曲げ座屈耐力や露出柱脚のせん断耐力などを計算します。そのため、終局状態(=解析結果)と比べて適切な値を設定する必要があります。
④脆性部材を含むQuの算定方法 ― A~Cランク部材の耐力低減係数α
保有水平耐力の集計方法の考え方はDOC-S Ver.1.0概要編マニュアルP166/DOC-S Ver.2.0概要編マニュアルP265を参照してください。これは総合耐震診断の集計方法に近い考え方です。ただし、考え方によっては単純和という考え方もあります。この場合は自動チェックをはずし、「1.0」と直接入力を行ってください。