DOC-RC/SRCでは弾性解析結果の軸方向応力用い部材耐力を計算し、指定により弾性剛性により偏心率を求めます。そのため、弾性解析モデルが不安定架構となる場合は該当節点をメッセージ出力し計算を中断します。
計算の中断までに準備計算を終えていますので準備計算結果より、解析モデルをご確認ください。


応力計算メッセージ
『荷重ケース[○○] ××(位置と方向・変位成分) 不安定架構になる為計算を中断しました。』

【メッセージの説明】
応力解析モデルの一部が不安定架構になっています。
一般的に、荷重に対して、節点または剛床(独立水平変位を指定した節点も1つの剛床とみなします)での剛性が異常に小さいため、数値解析ができなくなっていることが考えられます。該当節点に接続する部材や、該当剛床の部材の形状寸法や作用する荷重などを確認、調整することで解決できる場合もあります。
※メッセージ番号:E5503


【準備計算結果】
[ウインドウ]→[準備計算結果図]より
準備計算結果図が表示されましたら、画面上で右クリックします。
ショートカットメニューの中から「準備計算結果図の表示設定」により表示を切り替えてください。
下記を確認できます。
・剛域
・剛性増大率
・支点位置
・耐力壁モデル
・架構モデル
・節点重量

不安定架構のメッセージが出力される例

塔屋階に壁式構造状の架構を設けた場合
壁式構造の塔屋(PHRF)があり重量拾いのみを考慮するため、壁厚と同程度の柱を壁の側柱とし側柱にダミー柱を配置した場合は、上階のスラブをささえる要素がなく不安定架構のメッセージに該当する場合があります。
ダミー柱は壁部材等の配置用の交点を生成するための機能で剛性・耐力・重量が無いものとしています。
解析のモデル化上は壁版のみでは成立せず、上層の荷重を負担できずに不安定架構と判定されます。



メッセージに該当するダミー柱の配置例

重量として加算する方法
塔屋階を設けずに『特殊はり荷重』、『追加重量』等で荷重を配置し層重量に加算します。

【操作】
『特殊はり荷重』
1)[構造計算共通条件]→[特殊荷重]→[特殊はり、柱荷重]→〔柱(直接入力)〕タブ より
　特殊はり荷重を登録します。
2)[構造計算共通条件]→[特殊荷重]→[特殊はり荷重配置]より
　[配置]ボタンを押し1)で登録した特殊はり荷重を配置します。
※入力画面の[ヘルプ]ボタンを押すと入力の説明を確認できます。

『追加重量』
[構造計算共通条件]→[特殊荷重]→[追加重量] より
　各項目を指定し[配置]ボタンを押し、伏図又はフレーム図より
　該当節点をクリックし配置してください。

【出力】
グラフィック出力
項目:9.4.6 各層節点重量の内訳:節点毎に考慮した特殊荷重を確認できます。


「耐震診断に考慮しない柱」、「耐震診断に考慮しない壁・ブレース」の指定を用いる方法
塔屋階を設け塔屋部の架構を配置し弾性解析モデルとし層重量、軸方向力に考慮します。
塔屋部の鉛直部材に「耐震診断に考慮しない柱」又は「耐震診断に考慮しない壁・ブレース」を指定し、指定した鉛直部材を診断計算の集計から除きます。

【操作】
[耐震診断]→[部材指定]→[耐震診断に考慮しない柱]又は[耐震診断に考慮しない壁]より
[配置]ボタンを押し、指定したい層の伏図またはフレーム図の作業ウィンドウから指定する位置をクリック、または範囲をマウスでドラッグして囲むと設定できます。

【出力】
グラフィック出力
項目:8.1.7 耐震診断に考慮しない部材

DOC-RC/SRC Ver.10　概要編マニュアル
2021年 3月 初刷発行
項目:3.2.10 構造的に一体とみなせない場合の入力方法

-------
[ヘルプ]→[ヘルプの目次]より、[BUSシリーズ ヘルプ]を開き
■BUS-6 Ver.1.0:[BUS-6概要編]のボタンを押し、PDF形式のマニュアルより後述の参照頁をご確認ください。

RC/SRC/S造建物の一貫構造計算 BUS-6 Ver.1.0概要編
2020 年 4月 第8版発行
項目:2.2.3 建物形状 □はり抜け、柱抜け
項目:5.1.6 特殊荷重の取り扱い