ここに、
N
Wf A |
:
: : |
基礎計算用軸力
基礎重量 基礎底面積 |
② 柱脚に曲げが生じていて、浮上りが生じていない場合の接地圧、地反力は以下のようになります。
ここに、
N
Wf A M Z |
:
: : : : |
基礎計算用軸力
基礎重量 基礎底面積 柱脚(支点バネ)の曲げモーメント 断面係数 |
③ ②の状態から柱脚の曲げが大きくなった場合、②の式により計算したときの接地圧、地反力は以下のようになります。
このとき、地盤は引張りに抵抗できないため、一部引張りが生じる状態は極端に描くと下図のようになります。
ここに、
N
Wf c g g' |
:
: : : : |
基礎計算用軸力
基礎重量 軸力作用点(柱心)位置 基礎底面の図心 面積補正の有効面積内の図心 |
上図のように引張りが生じる部分は地盤面に対し、有効に働かないと考えられますので、有効な地盤面から除外して、有効な地盤面の面積A’および断面係数Z’を求めます。
また、基礎計算用軸力は柱心、基礎重量は基礎底の図心に作用するものと考えられるため、有効な地盤面の図心(地盤の反力の生じる位置)との間には、ズレが生じます。このズレにより、基礎計算用軸力による偏心曲げモーメントN・(c-g')、基礎重量による偏心曲げモーメントWf・(g-g')を求めます。
この面積補正および偏心曲げモーメントを考慮し、再度、接地圧、地反力を求めると以下のようになります。
ここに、
N
Wf A' M Z' c g g' |
:
: : : : : : : |
基礎計算用軸力
基礎重量 面積補正後の有効な基礎底面積 柱脚(支点バネ)の曲げモーメント 面積補正後の有効な断面係数 軸力作用点(柱心)位置 基礎底面の図心 面積補正の有効面積内の図心 |
この繰り返しにより、基礎重量を考慮した状態での引張りが生じない有効な面積に対する結果を有効な最大接地圧σmaxとして採用します。
※計算方法の詳細に関しましては、BUS-基礎構造Ver.5概要編マニュアルp.213~215をご参照ください。
このとき、基礎スラブの自重は基礎スラブに応力を生じさせないため、接地圧と地反力には(Wf/A’)+{Wf・(g-g')/Z’}による差が生じます。
上記計算により、圧縮側の接地圧(最大接地圧σmax)は面積補正前よりも大きくなり、安全側の結果となります。地反力についても同様に圧縮側は面積補正前よりも大きくなります。
引張側の接地圧(最小接地圧σmin)は0となり、地反力は(Wf/A’)+{Wf・(g-g')/Z’}で下図の赤線のようになります。
面積補正の計算自体は誤りではありませんが、
2010年版鉄筋コンクリート構造計算規準・同解説p.330
(前略) しかし、偏心量e’が大きくなるとこれらの自重を無視できなくなるので注意が必要である。 (中略) ここで、最小接地圧σminがσ’より小さくなると基礎フーチングの浮上り側に上端引張の曲げが生じるように荷重が作用し、また、右側の図の上向き方向の力だけによる合力は柱荷重N’より大になる。よって、浮上りが生ずる基礎スラブ[解説図20.3(c)、(d)]の設計用応力算定荷重には、基礎自重や埋戻し土の影響を考慮することが必要になる。 |
BUS-5 DB6.7.0.6以前は赤線による片持ち応力を求めていましたが、上記のため、BUS-6 DB6.8.1.0/BUS-5 DB6.8.0.0以降、接地圧が土かぶり重量を含む基礎重量による分布荷重σ'よりも小さくなる範囲に対しては、浮上りが生じる範囲も含み、基礎重量が作用するものとして、青線による片持ち応力を求めるよう変更しています。