天空図作図と算定求積図作図での天空率の値が違うのはなぜですか? [文書番号 : DRA00601]

概要
天空図コマンドの[天空図作図]で作図された天空図の天空率と、[算定求積図作図]で作図された天空図の天空率が違う理由について解説します。
解説

天空図コマンドの[天空図作図]と[算定求積図作図]の計算方法は異なります。
そのため、同じ建物の天空率を計算しても、値が一致しない事が多くなります。

天空図コマンドの[天空図作図]での計算方法は、コンピュータ内部で天空図を描き、建物が投影されていない時の天空図の円内に描かれたドットの数と、建物を投影したあと建物以外の空の部分のドットの数を数えて比較し、天空率を計算しています。
(ドットの数は1000万個以上になるよう設定しています。)

それに対し、[算定求積図作図]で計算された天空率は、三斜求積図に基づいて計算されます。
円の中心から建物の屋根部分を三角形で分割する時に、本来屋根の稜線は楕円弧になっているはずですが、それを直線で分割するので若干のずれが生じます。三角形の分割角度を細かくする事で楕円弧に近似しますので、この分割角度でも違いが出る可能性があります。

[天空図作図]と[算定求積図作図]で違う計算方法を採用している理由は、[天空図作図]は天空率そのものを求めることが目的であり、[算定求積図作図]の目的は手計算によって天空率の値を確認することにあるからです。

各ソフトウェアや手計算などによる計算結果では、各審査機関の担当者が天空率が正しいかを判断できないため算定求積図には手計算で結果を検証できることが求められました。その手法の一つとして、三斜求積図が広く取り上げられております。適切に作図された三斜求積図を用いれば必ず結果を安全側で判断することができるからです。

天空率の計算方法は法律で定められておりませんので、当社では[天空図作図]ではバルコニーなどの入り組んだ形状でも計算可能な独自の計算方法を取り入れ、[算定求積図作図]では一番用いられている三斜求積図を採用しています。

補足

財団法人建築行政情報センター様が発行されています『建築確認のための基準総則・集団規定の適用事例』のP.170~P.172の中に三斜求積(多角形近似)の目的として「コンピュータ処理(精算法等による求積)の数値と比較して、安全側な数値として評価することが目的である。」と書かれています。




文書情報

製品カテゴリ: DRA-CAD 最終更新日: 2011-10-19
バージョン: DRA-CAD10,DRA-CAD9,DRA-CAD8,DRA-CAD7,DRA-CAD6,
文書番号: DRA00601
分類:


kozoStation オンライン販売 ソフトウェアのご購入は、オンライン販売からご購入ができます。オンライン販売では、10%OFFでご購入ができます。