2017年版RC造診断基準(適用の手引) では柱せい(D)が柱うちのり高さ(h0)を上回る場合、h0=Dとする記載がありますが対応していますか。 [文書番号 : DOCR00883]

概要
自動計算では対応していません。対応方法をご案内します。
回答
2017年版既存鉄筋コンクリート造建築物の耐震診断基準 適用の手引き
項目:4.4柱内のり寸法(h0)の考え方 付図I.3.23柱内のり高さの例 、(l) (m) (n)の図では
D:柱せい>h0:柱うちのり高さ、h0=D の記載がありますが、(a)~(h)の図ではD>hoとなる場合、ho=Dとするかの記載がありません。そのため自動計算では対応していません。

自動計算結果を採用しない場合は、診断者判断で内のり高さの直接入力をお願いいたします。
自動計算の方法については後述のDOC-RC/SRC概要編マニュアルをご参照ください。


【操作】
[耐震診断]→[部材指定]→[柱うちのり高さ直接入力]より
内のり高さを直接入力できます。


【注意】
DOC-RC/SRCでは最も柱に近い開口の高さを柱の内法高さに設定しますが、下図のように柱の左右の開口が重ならない場合は、内法長さが発生しなくなります。この場合は「計算結果メッセージ一覧」に下記のメッセージを出力し、計算実行用に0.1cm(微小値)を設定しています。

*** 計算結果メッセージ ***
「DF203 ××層○○フレーム△△軸の柱の両側で開口が重ならないため柱うちのり高さを0.1cmとします。」



柱の左右の開口が重ならない例


【出力】
グラフィック出力
項目:9.3 柱うちのり高さ  (部材毎の自動計算結果、直接入力値を確認できます。)
項目:10.1.1 部材の終局強度と靭性能(2)結果内訳 (強度、靭性指標に考慮したh0を確認できます。)

補足
他の資料として下記があります。

2017年改訂版 実務者のための耐震診断マニュアル
項目:2.7.3部材耐力等の計算 (2)柱の耐力等の計算 付図(b)では
『垂壁と腰壁が重なり合い、内法寸法が設定できない場合は柱が45度方向にせん断破壊するものとして、柱の内法寸法をはりせい(D)などとして計算することが考えられる。』との記載があります。

「東京における緊急輸送道路沿道建築物の耐震化を推進する条例」に関する実務者講習会テキスト
項目:3.7壁のモデル化 (3) 図3-8階段室の段差部分のモデル化 では
階段室の段差ばりを例に、開口端部より45度のせん断破壊線を仮定した内法寸法の例が記載されています。
参考
2017年版既存鉄筋コンクリート造建築物の耐震診断基準 適用の手引
平成29年7月1日2017年改訂版発行
項目:4.4柱内のり寸法(h0)の考え方 付図I.3.23柱内のり高さの例

DOC-RC/SRC Ver.10 概要編マニュアル
2021年 3月 初刷発行
項目:3.2.5 柱うちのり高さ

2017年改訂版 実務者のための耐震診断マニュアル
平成29年11月 一般財団法人 建築士事務所協会
項目:2.7.3部材耐力等の計算(2)柱の耐力等の計算

「東京における緊急輸送道路沿道建築物の耐震化を推進する条例」に関する実務者講習会テキスト平成26年
項目:3.7壁のモデル化 (3) 図3-8階段室の段差部分のモデル化

関連文書
DOCR00857 プログラムのマニュアルの参照方法を教えてください。



文書情報

製品カテゴリ: DOC-RC/SRC 最終更新日: 2021-03-12
バージョン: DOC-RC/SRC[ver.10.x],
文書番号: DOCR00883
分類: 計算方法


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