『形状指標SDの扱い方(2017年版RC診断基準)』とはどのような機能ですか。 [文書番号 : DOCR00879]

概要
機能について説明します。
回答
DOC-RC/SRCでは『形状指標SDの扱い方(2017年版RC診断基準)』の指定により
診断計算時に採用するSD値を下記1)、2)、3)の何れかより指定できます。

1)すべてのFu’にF=0.8(R=1/500)の割線剛性としたSD値を採用する
2)すべてのFu’にF=l.0(R=1/250)の割線剛性としたSD値を採用する
3)Fu'=0.8にF=0.8(R=1/500)の割線剛性としたSD値を採用する。また
  Fu'=1.0以上にF=l.0(R=1/250)の割線剛性としたSD値を採用する。


F=1、F=0.8に対する鉛直部材の割線剛性(Ksc、Kw、Kc)について
2017年版RC造診断基準【解説】より、解図3.3.3-1及び解図3.3.3-2を下記に示します。




【注意】
『2)すべてのFu’にF=l.0(R=1/250)の割線剛性としたSD値を採用する』 を指定した場合
 極脆性柱の割線剛性は解図3.3.3-1 (a)極脆性柱のように終局強度に0.5を乗じます。



【出力】
グラフィック出力
項目:10.5.5 2次形状指標 :R=1/500、R=1/250の結果を確認できます。
項目:11.1.1 2次診断表:診断計算に考慮したSD値を確認できます。

詳細出力
[耐震診断]→[CSV形式ファイルの出力]→[偏心率・剛性率一覧]を押します。
R=1/500、R=1/250とした割線剛性の計算結果を確認できます。

補足
2017年版RC造診断基準 【解説】項目:(1)部材剛性の割線剛性 では
壁、柱、極脆性柱の割線剛性について下記のように記載されています。

『 耐震診断は、極めてまれに発生する地震動に対して建物の地上分が倒壊・崩壊しないことを確かめる目的で行われる。したがって、部材の弾性剛性よりも割線剛性に基づく計算を行う方が合理的である。(中略)原則としてF=1に対応する割線剛性を用いる。(中略)C法を用いる場合では、極脆性柱が非常に多い建物で、F=0.8が終局限界変形になる場合などは、(中略)F=0.8に対する割線剛性を使用してもよい。

鉛直部材の割線剛性は下記のように、層間変形角と層間変形角に対応する強度寄与係数を考慮します。

 K=(α・Q)/R
  K:割線剛性
  R :検討する層間変形角 (原則として F=1 に対応する変形(=1/250)とします。
  Q :当該部材(柱または壁)の終局強度とします。(Qmu、Qsuのいずれか小さい方)
  α:R に対応する強度寄与係数


操作
形状指標SDの扱い方(2017年版RC診断基準)
[耐震診断]→[計算条件]→[耐震診断計算条件]→〔共通(F値・グルーピング・Eo等)〕タブ より
形状指標SDの扱い方(2017年版RC診断基準)の欄より下記の何れかを選択します。
1)「F=0.8のみ」
2)「F=1.0のみ」(省略値)
3)「F=0.8とF=1.0を用いる」

SD指標の直接入力
[耐震診断]→[形状指標]→[形状指標算出、偏心率、剛重比]→〔2、3次診断 直接入力〕タブ より
検討方向、階毎に指定できます。2017年版を選択した場合のみ、『F=0.8(2017年版RC診断基準のみ)』の項目を指定できます。

参考
2017年版既存鉄筋コンクリート造建築物の耐震診断基準 同解説
平成29年7月1日2017年改訂版発行
【解説】項目:(1)部材剛性の割線剛性
【解説】項目: 解図3.3.3-1及び解図3.3.3-2

DOC-RC/SRC Ver.10 概要編マニュアル
2021年 3月 初刷発行
項目:3.4.18 形状指標SD(2次診断) 「2017 年版RC診断基準」による剛性分布の検討方法

2017年改訂版 実務者のための耐震診断マニュアル
平成29年11月 一般財団法人 建築士事務所協会
項目:(C)割線剛性の算出方法

関連文書
DOCR00835 診断表の見方
DOCR00836 Fu'と層間変形角について
DOCR00857 プログラムのマニュアルの参照方法を教えてください。



文書情報

製品カテゴリ: DOC-RC/SRC 最終更新日: 2021-03-12
バージョン: DOC-RC/SRC[ver.10.x],
文書番号: DOCR00879
分類: 計算方法


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