そで壁付耐震壁のせん断耐力(Qsu)に考慮するそで壁の「長さ」,「厚さ」について教えてください。 [文書番号 : DOCR00861]

概要
計算仕様について回答いたします。
回答
そで壁付柱耐震壁のせん断耐力(Qsu)は両側柱型付壁のせん断耐力(Qsu)にそで壁部の終局せん断強度 (sdQsu)を加算します。加算するそで壁の長さ、厚さに関して規基準、マニュアル等に関連する記述を確認できませんが、DOC-RC/SRCではそで壁部の耐力を考慮するため下記のように境界値を設けています。
既存のそで壁、増設壁符号配置による補強そで壁いずれにも該当いたします。


そで壁長さ
柱面からそで壁端部までの長さ(以降そで壁長さ)がモデル化条件の「計算に考慮するそで壁、たれ壁、腰壁の最小長さ(㎝)」の指定値以上、かつ、片側にのみそで壁が取り付く場合は長さ45cm以上、両側にそで壁が取り付く場合はそで壁長さの合計が45cm以上であれば、配置したそで壁の耐力を両側柱型付壁のQsuに加算します。
※耐震診断計算条件の「耐力計算に考慮するそで壁最小長さ」の指定値ではなく、45cm以上を境界値としています。ご注意ください。


厚さ
壁厚が10㎝以上となるそで壁を両側柱型付壁のQsuに加算します。


【グラフィック出力】
項目:10.1.1 部材の終局強度と靭性能(※加力時)
『そで壁』を考慮しますと、鉛直部材欄に下記のように
両側柱型付壁[ロ+++ロ、ロ***ロ]にそで壁部を模したマーク[+ロ+++ロ+、*ロ***ロ*]を描画しています。

【CSV形式詳細出力】
[耐震診断]→[CSV形式ファイルの出力]→[終局強度の個別出力]より
確認する検討方向、柱・壁にチェックを入れ、部材の配置軸を指定し[OK]を押します。
CSV形式出力で部材毎の詳細結果を確認できます。
【Qsuの計算結果】欄下段にsdQsu:そで壁の終局せん断強度 sdQsu = 0.8√Fc[㎏f/cm2]×(ΣA:そで壁面積)が出力されています。

【操作】
「計算に考慮するそで壁、たれ壁、腰壁の最小長さ(㎝)」の指定
[構造計算共通条件]→[モデル化]→[モデル化条件]→〔開口壁〕タブ より
『剛性・剛域等に考慮するそで壁、たれ壁、腰壁の最小長さ:10.0㎝(省略値)』 の指定を変更できます。
※部材毎の個別に「計算に考慮する長さ」を指定することはできません。厚さについては10cm以上を固定値としています。


参考
DOC-RC/SRC Ver.10 概要編マニュアル
2021年 3月 初刷発行
項目:3.4.4 せん断終局強度の計算 2)両側柱付壁のせん断終局強度
図3.4.12 そで壁付耐震壁 上段の解説及び図中の凡例


鉄筋コンクリート造建築物の耐震診断プログラム『SCREEN Edition-2』講習会テキスト
財団法人 日本建築防災協会 昭和55年3月発行
項目:b)『断面タイプ4、5の場合のそで壁部は、せん断強度を計算する場合に限り、これを別個に取扱い、 0.8√Fc[㎏f/cm2]×(ΣA:そで壁面積)で強度を計算し、耐震壁部分(柱で囲まれた部分)の強度に加算する。』

項目:図Ⅰ-12そで壁の扱い(断面タイプ4,5の場合)図右側の凡例
『 凡例:0.8√Fc[㎏/cm2]×(ΣA:そで壁面積)で計算し、基準式(13)による計算値に加算する。』
 そで壁面積:壁厚×[柱面からそで壁端までの長さ]
 基準式(13):耐震壁のQsu計算式
※両側柱型付壁のそで壁部の耐力計算方法については他の規基準、マニュアル等に記載を確認できませんでした。


関連文書
DOCR00815 補強そで壁に剛性低下率、耐力低減係数を指定しました。指定は考慮されますか。
DOCR00857 プログラムのマニュアルの参照方法を教えてください。



文書情報

製品カテゴリ: DOC-RC/SRC 最終更新日: 2021-03-12
バージョン: DOC-RC/SRC[ver.10.x],
文書番号: DOCR00861
分類: 計算方法


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