「天空率計算」コマンドと「天空率算定表」コマンドの計算方法は異なります。
そのため、同じ建物の天空率を計算しても、値が一致しない事が多くなります。
「天空率計算」コマンドでの計算方法は、コンピュータ内部で天空図を描き、建物が投影されていない時の天空図の円内に描かれたドットの数と、建物を投影したあと建物以外の空の部分のドットの数を数えて比較し、天空率を計算しています。
(ドットの数は1000万個以上になるよう設定しています。)
それに対し、「天空率算定表」コマンドで計算された天空率は、三斜求積図に基づいて計算されます。
円の中心から建物の屋根部分を三角形で分割する時に、本来屋根の稜線は楕円弧になっているはずですが、それを直線で分割するので若干のずれが生じます。三角形の分割角度を細かくする事で楕円弧に近似しますので、この分割角度でも違いが出る可能性があります。
「天空率計算」コマンドと「天空率算定表」コマンドで違う計算方法を採用している理由は、「天空率計算」コマンドは天空率そのものを求めることが目的であり、「天空率算定表」コマンドの目的は手計算によって天空率の値を確認することにあるからです。
各ソフトウェアや手計算などによる計算結果では、各審査機関の担当者が天空率が正しいかを判断できないため算定求積図には手計算で結果を検証できることが求められました。その手法の一つとして、三斜求積図が広く取り上げられております。適切に作図された三斜求積図を用いれば必ず結果を安全側で判断することができるからです。
天空率の計算方法は法律で定められておりませんので、当社では「天空率計算」コマンドではバルコニーなどの入り組んだ形状でも計算可能な独自の計算方法を取り入れ、「天空率算定表」コマンドでは一番用いられている三斜求積図を採用しています。