構造用鋼材を用いたアンカーボルトの許容せん断応力度 [文書番号 : BUS00480]

概要
構造用鋼材を用いたアンカーボルトの許容せん断応力度についてまとめます。
質問
「BUS」では構造用鋼材を用いたアンカーボルトの許容せん断応力度はどの様に扱っていますか。
回答
構造用鋼材のせん断の長期許容応力度は令90条でF/1.5/√3と定められています。 
短期は長期の1.5倍です。 
 
一方、学会S規準(第3版 2002/4)では、5.2節で 
SS400級に対して、長期許容応力度は70N/㎜2、 
その他の強度のボルトに対して、0.3Fとしています。 
短期は5.6節により、長期の1.5倍です。 

5.2節の解説には、 
「ボルトの許容応力度は、引張、せん断ともねじ部有効断面における応力度が 
5.1(構造用鋼材)に定める鋼材の許容応力度にほぼ等しくなるように定めている。 
ここにねじ部の有効断面は、公称断面の75%とした。」 
と記述されています。

つまり、令90条はねじ部有効断面積に乗じる許容せん断応力度で、S規準は軸部断面積に
に乗じる許容せん断応力度になります。 

例えばSS400アンカーボルト径20でネジ部の有効断面積を75%とすると 
A=π・20^2/4=314.16㎜2 Ae=0.75×314.16=235.62㎜2 

・令90条による長期許容せん断耐力はAe×235/1.5/√3=21.3kN 
・S規準による長期許容せん断耐力はA×70=21.99kN

となります。 

「BUS」で、軸部に対しては、旧S基準の許容応力度、
ねじ部では、断面欠損を考慮した断面積を用いているので、
許容応力度をF値(235N/mm^2,長期235/1.5=156.67N/mm^2)としています。
       



文書情報

製品カテゴリ: BUS-6/5 / 基礎構造 / COST 最終更新日: 2014-11-26
バージョン: BUS-5[ver1.x],
文書番号: BUS00480 バージョンの制限: アンカーボルト,
分類: 計算方法


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